ビリー・ジョエルを語ろう

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そろそろ再評価されても良くないだろうか?

偉大なシンガーソングライターにして、ロックンロールを敬愛するピアノマン。デビューから50周年を迎えて、現在はライブ活動のみで新作のリリースは無い。名盤「ニューヨーク52番街」は日本におけるCDの製造番号が栄光の「1」。つまり、そういう事なのだ。すごい人なのだ。

しかし、自分が若い頃からそうなのだが彼にはいわゆる「音楽好き」の間からはあまり歓迎されていないアーティストである、と感じている。「ビリー・ジョエルが好き」と言いづらい状況があった。日本においてはいかにも「洋楽入門」というイメージが強く、本国であってもカテゴライズしづらい位置付けだったかもしれない。流行に乗るわけでも作り出すわけでもない。そういったムーブメントからは常に外れていた。かと言って孤高の存在というわけでもなく、「素顔のままで」「オネスティ」を甘く歌う一般受けしやすいバラードシンガーのように思われてしまうのがマイナスポイントなのだろうか。しかし似たような位置付けと思われるエルトン・ジョンに比べても全く遜色の無い経歴のはずなのだが、エルトンは映画にもなっている程だ。まあ、ド派手な格好のエルトンに比べて、ジーンズにジャケットという地味な出立ちのビリーはドラマチックな要素に欠けるのかもしれない。

そんなビリーも50周年ということで、日本でも独自編集のベストアルバムがリリースされたりしている。ストリーミングでも未発表ライブを含めてちょうど50曲のベストが組まれている。あらためて各曲を聴いてみると、やっぱりどれもビリーの「他の誰でもない」個性を感じられて面白い。その「個性」を一言で表現できないところが、つまりは課題なのだろうか(笑)。

当時「音の良いレコード」としてオーディオマニアにも話題だった「マスターサウンド」シリーズ。書い直しました(中古です)。

映像的な情景が浮かんできて、みんなで歌いたくなる「ピアノ・マン」。ムーグの音色が印象的な「エンターテイナー」。ジャズのスタンダードナンバーにもなった「ニューヨークの想い」。カッコいい口笛を練習した「ストレンジャー」。歌詞が厨二病の心を射抜いた「マイ・ライフ」。ロックシンガーとしても実はバリバリやれるぜと主張が見える「ガラスのニューヨーク」。シンセの音がいかにも不安を煽り立てる「プレッシャー」。リアルタイムで一番よく聴いたポップ全開な「アップタウン・ガール」…ほんの一部なのだ、これで。

そうか、ビリーは「何でもできた」のが良くなかったのか。…って、ここまで似たようなことを自分で書いているではないか。「器用貧乏」という言葉があるが、そう思われているのか。いや、ビリーは「貧乏」と言うほど中途半端では無いし、造語だが「器用裕福」とでも言うべき存在であろう。

ただ、こうしてベスト盤などを通して聴くと、バラエティに富すぎて「とっ散らかっている」ような感覚になるのかもしれない。編集ベスト盤に「ラブソングス」(=バラード集)があったことを思えば、あながち的外れでも無かろう。

個人的には初めて買った洋楽レコードである「イノセント・マン」に対してどうしても思い入れが強く、「それ以前」と「それ以降」に分類したくなる。「それ以前」の作品は一気に(と言っても高校生だったので毎月一枚ずつ)揃えたくらい、夢中になっていた。揃える途中で出た初のベスト盤が2枚組で、価格的にかなり辛かった事を思い出す。

そのベスト盤「ビリー・ザ・ベスト」に収録されていた新曲がそれまでのどの曲とも似てなくて、新しいステージに入ったであろう事を感じさせられた。次のアルバム「ザ・ブリッジ」がその路線だった事で証明されたように思う。

さらに次のアルバム「ストーム・フロント」はプロデューサーの交替もあってサウンド面での変化はあったが、路線自体は変わらなかったと感じた。それは次作でも同様だった。

そしてそのアルバム「リバー・オブ・ドリームス」がオリジナルアルバムとしては最後になる。それが1993年の事だ。

それ以来、1枚のシングルをリリースしたものの、アルバムは出さずにライブ活動に専念している。彼のFacebookや Instagramをフォローしているが、ライブはかなり頻繁に行っており、73歳とは思えない程だ。

これは勝手な想像だが、ビリーは数枚の同傾向の作品を出した事で、もう次へ進む事が困難だと感じたのではないだろうか。とは言え当時はまだ出すアルバムはヒットしており、半引退はもったいないように思える。ただ、これら後期の作品群を聴くと、何となく「もう楽にしてくれ」と訴えているようにも聴こえてしまうのだ。考え過ぎとは思う。だがやはり…とそういった考えに引っ張られてしまうのだ。音楽にはそうしたネガティブな力もある。そして、それが魅力でもあるのだ。

あくまで個人的な思い込みに過ぎない。しかし、文学同様音楽にも「誤読の自由」もあろう。

どうだっただろう。キャッチーなヒットメーカー、ビリー・ジョエルは結構一筋縄では行かない存在ではないだろうか。今一度、あらためて聴いてみて欲しい。

時系列になったベスト盤がとっ掛かりにはいいだろう。日本編集の最新ベストが一番分かりやすいと思う。

(今回は敢えてデスマス調はやめて書いてみました。タメ口、大変失礼いたしました。)

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