実は今現在(22年7月時点)プリアンプが故障しておりまして。
長年愛用しているプリ、ホヴランド「HP100」の調子が悪いんです。今回2回目。時々右chから低音基調のノイズが発生してしまい、使えない状態に。真空管かと思いましたが、違うんですよね…タチが悪いことに「時々」という奴が曲者なのです。1回目の時は修理に持って行くと全く症状が出なかったりすしたので、またそうなってしまっては狼少年(少年とは図々しい)扱いになってしまいます。そんなわけで、とにかくラックから撤去してパワーアンプとDAC「mojo」を直結しました。mojoでボリュームはコントロールできますからね。これはこれでスッキリした良い音ではあります。
ただ、こうなるとレコードが聴けない…
寂しいので、このブログを書くことにしました(笑)。
今でこそサブスクだなんだでデジタル系をメインのように聴いているようにも見える私ではありますが、アナログの方もレコードをまあまあ所有しております。場所を取るので時々売りに出したりもしていますが、まだ2,000枚以上はありますでしょうか…
レコードプレーヤーに関しても、遍歴がありますね。最初はアイワのミニコンポ付属のプレーヤーに始まり、
- デンオン「DP-70M」
- Pro-ject「Perspective」
- ノッティンガム「スペースデッキ」
まあ、書いてみると遍歴と言うほどでも無いです?現用のスペースデッキは自分のホームページで調べてみる(便利)と2004年に中古で購入していますから、18年ですか。かなり長い相棒ではありますね。中古ですからかなりの長齢でしょうね。途中でダブルアーム化して、オルトフォンのロングアームを付けています。主にはこちらにモノラル用のオルトフォン「CG25D」を装着して古いジャズの音源を楽しんだりしています。前に書きましたけど、これで「サイドワインダー」モノ盤なんて聴くと本当に最高なんですよね〜
この「スペースデッキ」、というかノッティンガム・アナログ・スタジオのプレーヤーはベルトドライブなんですが、始動時には手で回すことで回転を加え、極小トルクのモーターは単に「回転速度を維持させる」のみの役割という特異性が持ち味です。この言ってみれば「究極のアナログ」っぽいロマンを感じてしまったんですね。手で回す、という儀式がイイじゃないですか。レコードをターンテーブルに据えて、そして右手を左へ微妙にスナップを効かせて回す…これはもはや、一連の流れるような動作となっているのです(笑)。回転を支える軸受部もオイルで浮かせており、大変スムーズな回転をしてくれます。たまにオイルを軸受けの凹部にスプーンで流し込む作業も、再びターンテーブルを軸受に戻す作業も面白いものなんです。
先述の通り、トーンアームはダブルアーム化しましたが、純正アームはカウンターウェイトに目盛も無いので、針圧計が必要になります。その面倒臭さも何だか愛おしい(笑)。ストレートアームでヘッドシェルは取り外しが出来ないので、カートリッジは直接装着せねばなりません。リード線も細く、特に外すときに注意しないと切れそうになります。と言うか、何度かハンダで繋いでいる箇所を何度か取ってしまいました。さらにヘッドシェル部に指かけもありませんから、摘んで持っていく、という今ひとつカッコ悪い動作になります。一度指掛けを付けてみた事があるのですが、なんだか音質的に悪影響が微妙に感じられたので外しました。まあ、この全体的な「素っ気なさ」も魅力だったり…
もう一本のアームはオルトフォンのロングアームに良い出物があった時に買いました。オルトフォンのロングアームというと、ダイナミックバランスと呼ばれる方式がメジャーですが、こちらはオーソドックスなスタティックバランスです。ウェイトに目盛も普通にあります。調整箇所も少なく、純正にはついている「インサイドフォースキャンセラー」もありません。このシンプルさは良いですね。「スペースデッキにオルトフォンのアームは合わない」と言われる向きもありますが、まあ特に音質的な不満もありません。ブランドの持つキャラクターは相反するかもしれませんね。
ところで、今調べてみるとオルトフォンはトーンアームを現在販売していないんですね。まあ、どうしても高額になりがちなものですから仕方のないところでしょう。アナログは注目されているとは言え、市場規模的にはどうしても昔のようなわけには行きません。調べたついでに見てみると、「グランツ」あたりのトーンアームが代替機種という感じでしょうかね。現在としてはコスパが高そうです。
このように「スペースデッキ」は拡張性の高さも魅力です。音質については、カートリッジやトーンアームとの組合せが関係するのでプレーヤーだけで語る事は難しいのですが、スムーズな回転による静けさと木製ですが重量級のターンテーブルと相まって、透明感と重厚感を程よく両立させた音である、と言えますでしょうか。高解像度をひけらかすタイプではなく、それでいて情報量の多さを十分に伝えてくれます。わざとらしい音はさせずに、あくまでナチュラルに表現します。そこが機械を極限までに省いた、まさにアナログと言える帰結点なのでしょう。
このプレーヤーはトーンアームや細部をバージョンアップさせつつ、今でも販売されています。超ロングセラーですね。それは所有者としても、嬉しいことでもありますね。
次回は、カートリッジなどについてお話ししたいと思います。
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