前回に引き続いてオーディオ試聴用「レコード」を紹介していきますね。今回はジャズ編です。
Walts For Debbie / ビル・エヴァンス
こういう聴き慣れている名盤が試聴にはうってつけなんですね。冒頭のブラシ名手、モチアンがスネアを撫でさする音からラファロの喋ったり歌ったりしているようなベース。これらがしっかりと耳に馴染むかが肝です。
We Get Requests / オスカー・ピーターソン
B面1曲目の「You Look Good To ME」、冒頭のレイ・ブラウンが弾くベースが聴きどころですね。アルコ(弓弾き)からのぶっとい音で爪弾くソロ。耳をすませばレイは何かをしきりにつぶやいている。歌っているのかな?昔からオーディオチェックのレコードとして知られてはいますが、やはり健在ですね。
Time Out / デイブ・ブルーベック
有名なナンバー「Take Five」のドラムソロ。これがまた、CMなどでよく聴くテーマ部分と打って変わって激しくもあり段々何だか少々恐怖も感じ始め…という強烈なアドリブを繰り広げてくれます。ここがズドン!バシン!と来て欲しいんですよね。
The Sidewinder / リー・モーガン
自分の持っているモノラル盤の中ではリファレンス的存在です。ステレオで聴くと軽快さが持ち味だったりしますが、モノラルは違います。全ての楽器が真ん中からこれでもかとばかりに主張をしてきます。太い管楽器の音に、ベースソロの迫力といったら!「サイドワインダー」という曲のイメージを変えてしまうくらい、衝撃的なモノラルです。
At The “Golden Circle” Stockholm Vol.1 / オーネット・コールマン
ブルーノート・レーベルからもう一枚。ライヴ盤ですがその生々しさが秀逸です。フリー的な演奏で普段はあまりフリー系は聴かないんですが、これは別。いつまでも聴いていたい心地良さがあります。それぞれの楽器が本当に目の前で演奏してくれているかのような錯覚を味わえる名盤ですね。ブルーノートではエリック・ドルフィーの「Out to Lunch」も似たような感動を与えてくれます。
Solo / エグベルト・ジズモンチ
ECMレーベルには名録音は何枚かありますが、オーディオ試聴で使うのはこちらと後述のもう一枚が多いでしょうか。ブラジルのギタリスト/ピアニスト、ジズモンチによる個性的なソロアルバムです。ギターの音色は自分のオーディオにとって重要課題なので、これがあまりギスギスしたものだと大いに不満なのです(笑)。ウェットかつスピーディーな音色に。相反するような要素ですが、どちらも欲しいのだから仕方がありません。長岡鉄男先生が優秀録音盤として推奨されていますね。
Emergence / ミロスラフ・ヴィトウス
ECMレーベルから、こちらはベースソロです。ウッドベースも自分のオーディオには重要なんですね。静寂の中から立ち上がる、ヴィトウスのベース。これが硬くなり過ぎずに骨太にくっきりと、スピード感を保ちながらも余韻も豊かになって欲しい…と願いつつ針を下ろすのです。
The October Suite / スティーヴ・キューン&ゲイリー・マクファーランド
インパルス・レーベルには名録音が多いのですが、その一枚と言えるでしょう。ゲイリー・マクファーランドが指揮をする弦と管楽器をバックにスティーヴ・キューンのピアノトリオ、という構成です。いわゆる「ウィズ・ストリングス」的なまったりとしたものではなく、緊張感を常に孕んだ演奏はその艶やかな高音質と相まって、こちらも何だか引き締められます。
Temptation / ホリー・コール
比較的新しめ(95年)の作品ですが、ハイレゾ配信が無い(DSDの販売はあります)事もあってアナログで聴いています。トム・ウェイツのトリビュートで構成されていて、ホリーの声もまたトムのしゃがれ声とは違った味わいがあります。ホリーのアルバムは良い録音が多く、ベースの音が好きなんですが、このアルバムは特に全体的に大人しめながらもそのベースの低音とホリーの比較的低めの声が絶妙に合うんですよね。
多くが一度このブログで取り上げた盤が多くなりましたね(笑)、特に意識はしていなかったので偶然なんですがそういう事なんですかね〜。
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