ふと思ったんですが、80年代って「バンドメンバーのソロ作」が突出して多かったような気がしたんです。あらためて列挙してみたら出るわ出るわ(笑)。他の年代であればここまでは無いような気がします。例えばデイヴ・グロールやクリス・マーティンがソロを出してましたっけ?トム・ヨークは出してましたけどね。
今回は解散後にソロ作を出したケース(スティング、ドン・ヘンリーなど)は除外しました。また別の機会に企画したいですね。
それでは、ご紹介していきましょう。
ミック・ジャガー
キースとの不仲が報じられる中、85年ソロアルバム「She’s The Boss」がリリースされました。ナイル・ロジャースがプロデュースしたダンサブルな作品でジェフ・ベックもギターで参加。ストーンズとは全く異なる音世界ですがヴォーカルはミックという、この違和感は決して嫌なものではありません。ただ前述したようなキースとの不仲もあって「解散しちゃう?」というヒヤヒヤした気持ちはありましたね。デヴィッド・ボウイとのデュエット曲「Dancing In The Street」を挟んで87年にもアルバム「Primitive Cool」を発表します。こちらはユーリズミックスのデイヴ・スチュワートのプロデュースです。日本公演、観に行ったっけな〜
キース・リチャーズ
そんなミックとの不仲説が巻き起こる中、88年にキースもソロアルバム「Talk Is Cheap」をリリースします。訳すと「ガタガタ抜かすな!」、なるほどキースらしい回答かもしれません(笑)。サウンドもこれぞストーンズ!というもので、キースの「あの」ギターはストーンズには欠かせないものなんですね。ヒットはしなかったようですが、このアルバム好きですね。キースのしゃがれ声も渋くて良いですし。ちなみに翌89年に二人は和解してストーンズはアルバム「Steel Wheels」をリリースします。
ドナルド・フェイゲン
ウォルター・ベッカーの麻薬中毒もあってスティーリー・ダンの活動休止後、82年に名盤「Nightfly」を発表します。いや〜これは何度も聴きたくなる個人的にも大好きなアルバムですが、スティーリーとの違いは少なくとも自分には分からないので、おそらくウォルターが仕方のない事情で不在なだけでドナルドとしてもスティーリー・ダンの次作という意識だったんでしょうかね。それにしても次のアルバムが93年という…まあ、それだけ賞味期限の切れないアルバムでもありますね。未だに全く色褪せないですからね。
ダリル・ホール
大ヒットシングルを連発していたホール&オーツ、少し活動を休止してダリルが86年にリリースした曲が「Dreamtime」、そしてソロアルバムが「Three Hearts in the Happy Ending Machine」。邦題は先行シングル同様「ドリームタイム」です。デュオ時同様、ポップセンスに溢れた「Dreamtime」はヒットしました。アルバムのプロデュースはデイヴ・スチュワートで、そのためか少しユーリズミックスを思わせるサウンドプロダクションになっていました。ジョン・オーツがソウル要素を濃いめに持っているんでしょうね。
スティーヴィー・ニックス
フリートウッド・マックのハスキーボイスが魅力な歌姫ですが、この人はどちらかと言うと「ソロ活動も並行」して行っているイメージですね。80年代だけでも4枚ものソロアルバムをリリースして旺盛な活動力を誇っています。個人的には85年の3rdアルバム「Rock A Little」からの「Talk To Me」が好きですね。ヒット自体は1st「Bella Donna」や2ndの方がしていますね。
リック・オケイセック
カーズのヴォーカリストで独特の声と風貌は印象的ですね。私もこの声、大好きです。大ヒットしたアルバム「Heartbeat City」からの翌年、86年に2枚目のソロアルバム「This SIde of Paradise」をリリースします。「あの」声なのでソロとは言えカーズそのまんまという気もしましたが、カーズは翌年リリースのアルバムを最後に解散。うーん、やっぱり…
ルー・グラム
フォリナーがアルバム「Agent Provocateur」を大ヒットさせた後、バンド(主にミック・ジョーンズ)のバラード路線に対してロック路線で行きたいルーはソロアルバム「Ready Or Not」をリリースします。シングル「Midnight Blue」もヒットして、ルーもさぞ溜飲を下げた事でしょう。ただこのヒットが後のフォリナー解散に繋がっていきます。
フレディ・マーキュリー
何度もCMで流れた「I Was Born To Love You」。85年ソロアルバム「Mr. Bad Guy」収録でいかにも80年代らしいシンセサウンドが炸裂している曲ですが、フレディの死後ヴォーカルだけを取り出して演奏をあらためて重ねたヴァージョンがクイーンの曲としてベスト盤に収録されています。
スティーヴ・ペリー
キーボードのイントロからいきなり無伴奏でスティーヴのハイトーンヴォイスが響き渡る「Oh Sherry」。最初聴いた時は単純にびっくりしました(笑)、「うわ、いきなりシャウト来るのか」と。84年発表のソロアルバム「Street Talk」のオープニングを飾るこの曲はジャーニー人気もあって、かなりFMで流れていた記憶があります。
デニス・デ・ヤング&トミー・ショウ
この二人はスティックスの二枚看板ですね。「Mr. Roboto」が日本でもヒットした同バンド、その後二人がバンドの方向性で揉めます。バラード路線で行きたいデニス、ロック路線で行きたいトミー、という感じですね。そんなわけで二人とも84年にそれぞれ「Desert Moon」、「Girls With Guns」というソロアルバムをリリースします。どちらも表題曲がヒットしましたが、見事に前者はAOR風バラード、後者はゴキゲンなロックナンバーと実に分かりやすい違いを出してきました。
フィル・コリンズ
80年代を代表するヒットメーカーの一人とも言えるでしょうね。ジェネシスのドラマーという存在から、ソロになったら80年代だけでも4枚のアルバムと6曲もの全米No.1ヒットシングル。さらにその実績をジェネシスにまでフィードバックしてヒットに導くというのは、もはや言葉がありませんね。ここでさらりと触れるにはあまりにも膨大過ぎるのですが、個人的にはフィリップ・ベイリー(EW&F)とのデュエット「Easy Lover」が印象的ですね。フィルのドラミングも聴きものです。
解散はしていない、というもののバンドが危うい時期にソロを出しているケースがやっぱり多いものですね、こうして見ると。現在はどのバンドも平和?なんですかね。
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