レコードコレクターズ22年8月号を読んで〜前編〜

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1990年はもう30年以上前のこと。もう振り返るには十分な年月ということですね。

という訳で、レコード・コレクターズ8月号は同誌初の「90年代のロック・アルバム200」です。90年代と言えば、個人的には就職をしたので自由になる金額が当然増え、買うCDの数が格段に増えた年代でもあります。何せ会社のすぐ近くにはタワレコがあったので、もう大変(笑)。一気に収納スペースに悩むことになるのでした。

ターコイズ色の表紙。この写真でもう上位がわかってしまう…

さて今回のランキング。1位は予想通りでした。まあ、これは間違いないでしょう。鉄板ですね。そして2位も大いに納得。3位は…個人的にはそれ程でもないのですが、評価の高い作品なのでまあ納得。という感じでベスト3はほぼほぼ「90年代はこれだ!」と言える名盤が揃っています。

ページをめくっていくうちに、少し違和感を覚えるようになります。何かと言うと、ブリットポップマッドチェスターといった英国発のムーブメントに関わるアーティストがあまりにも少ない事です。個人的には当時夢中だった分野なので、モヤモヤしてしまった感がありますね…「え、あれ200位にも入っていないの…」といった盤が何枚かありました。この雑誌(「ミュージック・マガジン」誌も含めた)の方向性がモロに出たという事でしょうね。確かにここは「アメリカーナ」というブルースなどをベースにしたルーツ志向のアメリカ音楽が強いという特徴があると思いますね。なので、例えば「ロッキング・オン」がランキングを作ったとしたら、全く違う結果(ベスト3くらいは大きく変わらないでしょうけど)になっていたんでしょうね。

さてさて、誰も期待していないのかもしれませんが、”90年代マイベスト40”を今回も行ってみましょう!

  • 40位:「シャイン・オン」ハウス・オブ・ラヴ
    いかにも英国的な、繊細で哀愁をたっぷり込めた声と演奏。
  • 39位:「ザ・ラーズ」ザ・ラーズ
    「ゼア・シー・ゴーズ」は永遠の名曲。短命なバンドでしたがオアシスも大ファンで、影響は間違いないところです。
  • 38位:「天使のささやき」ザ・サンデイズ
    邦題の通りな爽やかな女性ボーカルの声と、「ザ・スミス」直系のギターサウンド。これが悪いわけ、ないですわ。
  • 37位:「ワールド・クリーク」ディー・ライト
    テイ・トウワ氏がメンバーの、無国籍風ダンスミュージック。
  • 36位:「K」クーラ・シェイカー
    ヒット曲「ヘイ・デュード」は映画「イエスタデイ」の中でネタに使われておりました(笑)。
  • 35位:「カマキリアド」ドナルド・フェイゲン
    名盤「ナイトフライ」から10年振りの新作ということで、当時話題になりましたね。見事なる「現状維持」は名人芸。
  • 34位:「ハーヴェスト・ムーン」ニール・ヤング
    70年代名盤「ハーヴェスト」へのアンサー・アルバム。ニールにしては優しめ?の作品でしょうか。
  • 33位:「ブラー」ブラー
    わずか2分ちょいの「ソング2」が世界的な代表曲になるとは(笑)。少し米国寄りの作風に変化した事も大きい。
  • 32位:「ノーウェア」ライド
    轟音ノイジーギターに美メロ、という今では珍しくはなくなりましたが、その先駆けのようなバンド。
  • 31位:「コモン・ピープル」パルプ
    タイトル曲はブリットポップを代表する名曲ですね。こちらも映画「イエスタデイ」でネタにされていましたね〜
  • 30位:「モーズリー・ショールズ」オーシャン・カラー・シーン
    ブリットポップ勢とも言えますが、一番オーソドックスで骨太なロックを演っていたと思います。
  • 29位:「エヴリシング・マスト・ゴー」マニック・ストリート・プリーチャーズ
    30年にも渡って、今も良質なロックを届けてくれるマニックス。日本でももっと評価されても良いのでは…
  • 28位:「チューズデーナイト・ミュージッククラブ」シェリル・クロウ
    「AII I Wanna Do」が大ヒット。シェリル姐さんの安定した評価はこのデビュー盤で既に決定していました。
  • 27位:「アクトン・ベイビー」U2
    ここから路線を変更しつつ、熱血男イメージだったボノもイメチェンしていきます(笑)。
  • 26位:「オディレイ」ベック
    「ローファイ」第一人者のセカンド。今もそうですが、独特のスタンスを維持してますよね〜
  • 25位:「エレクトロニック」エレクトロニック
    ニュー・オーダーのバーナードとスミスのマーがタッグを組んだだけでも凄いのに、見事に良いところ取りとは!
  • 24位:「スティル・ガット・ザ・ブルース」ゲイリー・ムーア
    ゲイリーのブルースアルバム、私のようなブルース素人にも分かりやすくて良かったんです。泣きのギターはさすが。
  • 23位:「13」ブラー
    ブラー2回目の登場。90年代最後を飾るこのアルバムはノイズの洪水に溺れつつ、バリエーションに富んだ作品に。
  • 22位:「ライフ」カーディガンズ
    スウェディッシュ・ポップの代表格。当時トーレ・ヨハンソンのプロデュースが流行りましたね〜
  • 21位:「カリフォルニケイション」レッド・ホット・チリペッパーズ
    来ましたレッチリ。99年のこのアルバムから現在の「少し大人になった(失礼)」レッチリの始まりですね。

それでは20位から上は次回ということで。こうやって順位をつけるうちに、それぞれのアルバムを聴き直す作業が楽しいですね。それで順位が変わっちゃうという…(笑)。

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