今年も月刊「stereo」誌、工作号の時期がやってまいりました。どうしようかなあ…と思いつつも、買ってしまうものだったりしますね。スピーカー工作に手を染めた者の性(さが)と言うべきか。
今年の表紙、女性が写っていますがシンガーソングライターの柴田淳さんではありませんか。邦楽の中ではよく試聴盤に挙げられる事の多い方でもありますし、そういう意味では親和性が高いですよね。

- 巻頭から柴田淳さんの「真空管アンプキットに挑む!」と題された記事になります。キットはトライオードの15万ほどする本格的なものですから、やり甲斐もありますね。近ごろ救急救命士の資格を取得したという柴田さん、こうしたチャレンジも積極的にグイグイと好奇心たっぷりに挑んでいるのが文面から見て取れました。完成したアンプも良い音で聴くことができ、感動もひとしおだったことでしょう。
- さて毎年恒例の「工作人間大集合」ですが、前回と似たような感想ではありますね…なんと言いましょうか、同窓会的と言いましょうか。逆にこれだけ毎年制作されるパワーには畏敬の念を抱かざるを得ませんね。私など新たに製作したのはもう4年前ですから。
その中でも気になったのは「バックロードバスレフ」でしょうか。以前より存在する方式ではありますが、ちゃんと聴いたことはないんですよね。一見すると「せっかく開放感ある低域がポーンと出るところを塞いでポートをつけちゃったら勿体無いような…」と思いがちですが、パワー感溢れる中低域が出てきそうでもありますね。つまり「トランスミッションライン」や「TQWT」といったような「方式」が気になるわけですね、個人的には。 - 今回最も気になっていたのは次の特集、マークオーディオのガラス製振動板を使った「Alpair 5G」ですね。こうした「新素材」というのも興味をそそられるものです。素材同様、かなり「尖った」特徴を持つユニットのようで「些細な短所などねじ伏せる」系のようです。「じゃじゃ馬」と言い換えても良いかもしれませんね。そりゃ確かに8cmという口径にはいろいろ限界があるでしょうけど、小口径の良さは当然あります。それを突き詰めたもの、ということなんでしょうかね。
いくつか作例が紹介されていましたが、ユニットの持つ特徴である「反応の良さ」「音像表現の巧みさ」を最大限に活かすように点音源に拘るものが目に付きました。16面体であったり、ラグビーボール状のエンクロージャーであったり、というわけですね。
これは面白い、と思いました。ただかなり使いこなしが難しいのだろうな、という印象も同時に持ちました。試聴したインプレの文章量がどれも少ないんですね。エージングでどこまで変わるのか、もまだわからない状態ですから、早急な判断はできないのでしょうけれども。これからネット上に作例も出てくるでしょうから、それらも参考にしたいところですね。
エンクロージャーの容量をある程度確保しつつ、点音源の良さを活かすような、しかも比較的手間の掛からないやり方は無いものか…自作派の腕の見せ所かもしれません。私はとりあえず、また妄想してみるとしますか(笑)。勝手にユニットの素材からECM名盤「クリスタル・サイレンス(チック・コリア&ゲイリー・バートン)」が美しく響き渡るのを理想にしたいものです。 - 他には往年のヤマハ「NS-10M」のスピーカースタンド製作、という記事も面白かったですね。ホームセンター「カインズ」オリジナルのDIY用品を使ったスタンド、自分は作る必要性はないのですが…もし必要だったらカインズ好きでよく行きますすし作っちゃうかもしれません。あと「NS-10M(通称テンモニ)」は自分がまだ10代の頃持っていたスピーカーですので、なんだか思い入れがあります。考えてみると、うまく鳴らしきれていなかったような…まだ実家を立て直す前で床がサスペンションのようにたわむ和室でしたからね。今の環境ではどんな音を出してくれるのだろう…という思いはあります。
そんなわけで、今回も楽しませていただきました。やっぱり、時々はこうした雑誌を読むと普段自分が触れていない情報も目に入ってくるので新鮮だったりしますね。
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