学生時代〜20代には貪るように読んでいた「ロッキング・オン」。今でもカレンダー目当てで毎年一冊は買っていたりしますが今回は「80年代ロックアルバム100」という特集があるということで購入。しまったなあ、先々月から、つまり60年代からやっていたんですね。
気になるのは昨年の「レコードコレクターズ」誌ランキングとの比較ですね。相変わらずネタバレはまずいと思うのでチャート自体は載せませんが、ヒントくらいは仄めかしつつ幾つか印象を語っていきたいと思います。
- ストーン・ローゼスが意外に低い順位だった。
何せ89年当時、「ロッキング・オン」誌では同バンドで大盛り上がりを見せていましたから、当然ベスト5以内は固い、と思っていたのですがまさか10位にも入らずとは。まあ、スタッフが当時とは当然変わっているからそういうものでしょうか。ちなみに「レココレ」では40位台で「この雑誌ならまあこんなところかな」と思いましたね。 - トーキング・ヘッズは両誌共に評価が高い。
個人的には「そこまで?」と思ったりする(失礼!)のですが、いやもちろん「リメイン・イン・ライト」はあらためて聴き直しても良いアルバムと実感できるのですが… - 「ロッキング・オン」の方が分かりやすいランキング。
思ったより「普通」と言うか「ベタ」に近いランキングでした。「レココレ」の方は自分もよく知らない、あるいは意外なアルバムがかなり上位にランクされていましたが、「ロッキング・オン」はそこまでではなく、親しみやすいものになっていた、と言えます。 - 「80年代らしいアルバム」もかなり上位にランクインしていた。
上記内容と似てしまいますが、デヴィッド・ボウイ「レッツ・ダンス」がかなり上位だったり、デュラン・デュランやカルチャー・クラブもまあまあの順位に着けていました。この辺りの当時いわゆる「売れ線」だったものも時が経ち平等に評価されるようになった、という事でしょうかね。良い事だと思います。 - TOTOやジャーニーは低いランクに甘んじた。
こちらは「ロッキング・オン」らしく「産業ロック」勢には厳しい結果となりました。とは言え「レココレ」の方も見直してみるとTOTOは100位以下、ジャーニーはランク外という事で逆にもっともっと低かったんですね…。こうやって比較してみると色々気づく事がありますよね。 - 「レココレ」が高くて「ロッキング・オン」が低いランク。
ドナルド・フェイゲン
ソニック・ユース
スクリッティ・ポリッティ など
まあ、フェイゲンは分からないでもないですね。その代わりスティーリー・ダン「ガウチョ」は高い順位でした。こちらの方がより「ロック的」でしたしね。ソニック・ユースはちょっと意外な気もしました。 - 「レココレ」≒「ロッキング・オン」
U2
ロキシー・ミュージック
ジョン・レノン
ルー・リード
ザ・スミス
AC/DC など
この他にもありますが、両者共にそれほど順位が変わらないアルバムも当然多くありました。二誌のランクが変わらないと、安定した人気があるアルバムのように思えますね。 - 「ロッキング・オン」が高くて「レココレ」が低いランク。
ビースティー・ボーイズ
ヴァン・ヘイレン
マドンナ
パブリック・エネミー
「ロッキング・オン」の上位陣から比較すると、それほど多くはありませんでした。雑誌の性格を考えると「まあ確かに」という印象でしょうか。マドンナも評価が高いのは、確かに当時のシーンに影響が大きかったですしね。 - あれ、このアルバムってランク外?
ピーター・ガブリエル「SO 」
トラヴェリング・ウィルベリーズ「Vol.1」
エルヴィス・コステロ「スパイク」
エコー&ザ・バニーメン諸作
ピーター・ガブリエルは「ロッキング・オン」では「Ⅳ」がライクインしていますね。ウィルベリーズ繋がりではボブ・ディランやトム・ペティもランクインせず、ジョージ・ハリスン「クラウド・ナイン」もランク外でした。エコバニも意外でしたね〜。ジザメリも低かったですし。
「ロッキング・オン」の場合は「現在地点から見た80年代」という要素が強いのかな、とも感じました。セレクトしたスタッフ達の年齢層は様々なのでしょうが、確かに「80年代がリアルタイムではない」場合は歴史から見て俯瞰する事になります。そこで重要な役目を果たしたアルバムが選ばれるのかな、と。私のようなリアルタイム勢はどうしても「あの時聴いて、好きだった」というだけで当時の思い入れ込みで選ぶ傾向はありますからね。とにかく、色々と興味深い今回のランキングでした。
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