「ロッキング・オン」誌のロックアルバム100特集、90年代で終了かと思っていましたが出ましたね「2000年代」が。もう20年前ですもんね。振り返られる時代になったわけです。
なるほど、1位は確かに順当ですね。ただ、90年代と違ってシーンをひっくり返すような「これ!」という歴史的大名盤みたいなものはこの時代、難しいかもしれません。私も予想出来ず、結果を見て「ああ、なるほど確かに」と納得した次第です。
もはやこの時代はロックにとっては厳しい時代になってきており、注目されるのはヒップホップ系。さらに年代を経るに従ってそれは強くなっていきますね。この雑誌にしても「ロックを感じる」ようなヒップホップが多くラインクインしています。
全体的な感想としては、「売れた」というより「後のシーンに影響を与えた」と思わせるアルバムが多くピックアップされているように感じました。そこはやはり専門誌らしいスタンスで良いですよね。
今回思ったのは、「ちゃんと聴いておけば良かったかな~」ですかね。00年代になると、悲しいかな新しく聴くものがどうしても少なくなってしまいました。まあ、当時はジャズに傾倒していたのも一因ではありますが。上位にランキングされたアルバムの何枚かは当然知ってはいるのですが、リードシングルをラジオで聴きかじった程度だったりしました。例えばリンキン・パークとか。ストロークスやアークティック・モンキーズも買ったりもして聴いたはずなんですが、あまり強い印象を残していませんでした。一度だけ聴いてそのまま…というものも多いので、また20年ぶりに聴いてみると印象も違うかもしれませんね。
またしても?ネタバレ的に誌面のランキングを出すことは差し控えさせていただきますが、これまた「またしても」マイベストを代わりにピックアップさせていただきますね。「ロッキング・オン」の方にもラインクインしているアルバムにはアンダーラインを引いておきます。ベスト20にしようかとも思ったのですが、20枚を超えてしまって落とすには忍びないので特に順位は付けずに列挙するだけにしておきますね。
コールドプレイ「美しき生命」
前作の「X&Y」も好きですが、このアルバムで大いにバンドとしてもステップアップしましたね。「美メロ」路線が一気に一般に浸透しました。
レッド・ホット・チリペッパーズ「バイ・ザ・ウェイ」
レッチリも大人になったものだなあ…などと少々寂しくも思いつつ、でもやっぱり良い曲書くよな、演るよな~と納得の一枚。「カリフォルニケーション」路線を踏襲した感があります。
マイ・ケミカル・ロマンス「ザ・ブラック・パレード」
問答無用で盛り上がりますよね。「きゃ〜りお〜ん!!」
ダフト・パンク「ディスカバリー」
「One More Time!」と何度も口ずさんでしまいますね。
フー・ファイターズ「イン・ユア・オナー」
2枚組で圧巻のボリューム。何と言っても名曲「Best of You」収録です。
ボブ・ディラン「モダン・タイムス」
ディラン健在、をあらためて知らしめた名盤。
ブルース・スプリングスティーン「マジック」
ボス久々のロックアルバム!と喜ばしく迎え入れましたっけ。
ノラ・ジョーンズ「カム・アウェイ・ウィズ・ミー」
本当に「声」が独特なシンガーだと思いますね。それで聴き続ける方も多いのではないでしょうか。一聴地味で静かなアルバムですが、衝撃の一枚でもあります。
ミューズ「レジスタンス」
何と言っても、名曲「Uprising」が白眉。他のUKバンドに比べて骨太感があって、アメリカで受けるのも分かりますね。クイーンを思わせる、スケールの大きなサウンドも確立しました。
ザ・ミュージック「ストレングス・イン・ナンバーズ」
このデジタル路線を強めた3rdアルバムは前2作ほどは受け入れられなかったようですが、私はこれが大好き。
ジェット「ゲット・ボーン」
Apple「iPod」のCMで繰り返し流れた「Are You Gonna Be My Girl」はシンプルなロックでありながら今でも魅力に溢れていますね。
エリック・クラプトン「バック・ホーム」
ポップでロックでブルースで…バリエーションに富んだクラプトンが聴けます。名古屋万博のテーマも再録音で収録。音も良いです。
ジョン・レジェンド「ゲット・リフテッド」
R&B系はそれほど明るくはないのですが、この人の声は好きですね。甘々じゃない、ちょっと掠れた感じがイイです。
ポール・マッカートニー「ケイオス・アンド・クリエイション・イン・ザ・バックヤード」
ナイジェル・ゴドリッチがポールの狂気を引き出した!と自分で勝手に盛り上がっている極私的名盤だったりします。鼻歌みたいな「Jerry Ren」が一番怖い。
レディオヘッド「Kid A」
これが出た当時は「ロックが明らかに変化の時期を迎えた!」と驚きを交えながら聴いていた記憶があります。
ジェフ・ベック「ライヴ・アット・ロニースコッツ」
映像でも観ましたが、客席との距離が近い良い感じのライブ盤です。まあ、ベースがタル・ウィルケンフェルドなのも良いんですけどね。クラプトンもゲスト出演していました。
オアシス「ディグ・アウト・ユア・ソウル」
今のところのラストアルバムになりますかね。「お、また吹っ切れたオアシスが戻ってきたかな」とこれを聴いて思っていたんですけどね…。
グリーン・デイ「アメリカン・イディオット」
レッチリではないですが、これも「ああ、グリーン・デイも大人のロックになったなあ」と感慨深いものがありました。
プライマル・スクリーム「ライオット・シティ・ブルース」
時々こういうストレートなロックンロールも演ってくれるのが懐の深いところですね。もちろん、いつもの路線も大好きです。
ホワイト・ストライプス「イッキー・サンプ」
独特の雰囲気を纏ったバンド(というよりデュオか)ですね。タイトル曲がとにかくイカしてますね〜!
U2「ハウ・トゥ・ディスマントル・アン・アトミック・ボム」
リードシングル「Vertigo」が当時よく流れてましたね。AppleのCMでも流れた、カッコいい曲です。
ロバート・プラント&アリソン・クラウス「レイジング・サンド」
とにかく地味なはずなんですが、何でしょうかこの「ゾワゾワ」する感覚は。名プロデューサー、Tボーン・バーネットの手腕もあるのでしょうが、このルーツ・ミュージック的なアプローチでここまで心を震わせる作品を作り上げるとは…
ハービー・ハンコック「リヴァー」
ジョニ・ミッチェルへのトリビュートアルバムで、ボーカルもノラ・ジョーンズ、ティナ・ターナー、そしてジョニ自身のヴォーカルをフィーチャーした豪華盤。ウェイン・ショーターのサックスも存在感抜群です。グラミー賞も「最優秀アルバム賞」を受賞しました。
マニック・ストリート・プリーチャーズ「ジャーナル・フォー・プラーグ・ラヴァーズ」
ヒット曲こそ無いけれども、アルバムとしてのクオリティの高さは秀逸。隠れ名盤と言っても良いのでは?
ドナルド・フェイゲン「モーフ・ザ・キャット」
私のオーディオ試聴盤としても、そして愛聴盤としても未だにリピート率の高いアルバムです。どこを切ってもフェイゲン節に溢れています。
ジャック・ジョンソン「イン・ビットウィーン・ドリームズ」
この人のヒットで、「サーフ・ロック」が一時期流行りましたね。確かに何だか「波」を感じさせるアコースティックなグルーヴは新鮮でした。
こうして見ると、バリエーションが豊かになったような感もあります。それは自分が歳を取ったからかもしれませんけどね。また、ランキングを参考に未聴のアルバムを聴いてみようかと思います(すでにいくつか聴いていますが…)。
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