自作号以外にも目を惹く特集があれば買います、オーディオ雑誌「stereo」。24年12月号は「ついに来た、ハイレゾストリーミング」ということで明らかに「qobuz」の日本上陸を意識した特集タイトルになっていますね。(まあ、これまでもハイレゾストリーミングはあったわけですけどね。)
ちなみに私は、結局qobuzを契約しました。年契約です。やっぱり月200円分の違いは結構大きいのでは…という判断ですね。あれから色々聴いてきて、中にはAmazon musicHDとそれほど変わらない音源もまあまあ出てきたりして少々迷いましたが、魅力的なプレイリスト(例えばオーディオメーカーの推奨曲)や新譜がリリース順に現れるトップ画面など「このまま継続したい」という気持ちにさせられるものがあったのです。
さてそんな風に迷われた方も多かったであろう「qobuz」を中心としたストリーミングを、オーディオにどのように取り入れるか。それを今回の「stereo」誌は特集しているわけですね。
やはり雑誌の性格上、様々な機器の紹介がされております。特集の項目をいくつか取り上げてみましょう。
ストリーマー9機種聴き比べ
幅広い価格帯からチョイスされていました。我が愛機「WiiM Pro」もロープライス代表として一番先に取り上げられています。控えめな評価ながら、実際はかなり褒めているような感じもしました。最後にお勧め3機種にも挙げられていましたしね。おそらく素の状態での試聴ですから、電源など様々な対策を施せばさらに良くなること間違いなしなのです(手前味噌)。文章全体からも、高級機で鳴らしてもそれほど大きな違いを生み出せていないような印象を受けました。
WiiM Ultraの紹介
最近発売されたWiiMの最上級機。それでも実勢価格5万円台なんですね。WiiMも輸入代理店が正式に決まったので、こうして雑誌への露出が出てきましたね。WiiM Proより大きめではありますが、タッチスクリーンも付いて視認性も向上、筐体もアルミ製なのでよりオーディオ機器らしくなりました。ストリーマーにDACとプリアンプ機能も充実しているので、パワードスピーカーかパワーアンプ+スピーカーでシステムが完結しますね。誌面ではWiiM Pro Plusとの比較をしていますが、これは内蔵DACの違いが出ているんですね。欲を言えば外部DACに接続したときの比較もあれば良かったかな…とは思いました。結局、自分に当てはめるとグレードアップのファーストチョイスになりますね(笑)。
USB-DAC試聴
私自身の環境としてはWiiMからDAC(chord “mojo”)への接続は同軸ケーブルであり、WiiM側にUSB出力が無いという制約はあるにせよ、USBでの接続はボトルネックのような印象を持っています。とは言えDSD音源を聴きたいとなればUSBに頼らざるを得ないですね。それはともかく、誌面では個性豊かなDAC が8機種取り上げられていました。同じchordの「Qutest」もロングセラーながらレビューされています。やはり文面を見る限り、自分の嗜好に合致してる印象ですね。他には「RME」が前から気になっているメーカーでもあります。モニター系って、ジャズやロックを聴くには合いそうなんですよね。デジタル系ソースのバリエーションが増えてきた現在、DACはコントロールセンター的な役割を担っています。アナログをやらない方にはプリアンプとして使う場合もあるでしょう。ここにどういった機種を持ってくるかで音の傾向がかなり決まって来るので「音の好み」と「機器の傾向」を把握しておくことは重要でしょうね。
ビンテージDAC
まもなく登場する単体DACが「80年代のチップを使ったDAC、しかもチップ交換が可能」という仕様との事。これは面白いですね。デジタルは新しい程良い、とも言われたりしますがオーディオは結局のところ「好み」ですからね。潜在ニーズはありそうです。考えてみると私の使っている「mojo」にしても発売は2015年です。決して新しいとは言えないですね。その前に使っていたステラボックス「ST-2 96/24」は中古で購入して12年使いました。調べてみると2000年発売でした。これは今となってはちょっとしたビンテージと言っても良いのではないでしょうか。それでも現在中古市場で人気がありますし、実際好ましい音を奏でてくれていました。
ストリーマー自作
これも面白そうですね。結局は「『ROON』専用サーバーとしてPCを自作する」という事でした。完全に専用機となれば、普通自作PCに必要なOSに掛かる金額も軽減できるわけですね。以前より一部ではかなり盛り上がっている流れかと思います。商業誌が取り上げるのは珍しいかもしれません。まあ、今のストリーマーやネットワークプレーヤーの正体はPCですもんね。自分で音質向上策を打ちやすいという点でも大変興味深いものでした。実は自分も一度ROONをお試し期間だけやってみた事はあります。ただこれもいわゆるサブスクなので、掛かる経費に恐れをなしてやめちゃったんですわ…でも大変便利ですし、面白いですよ。
特集以外
特集以外で興味を惹いたのはフォステクスの新発売20cmユニット「FE203Σ-RE」をバックロードではなくバスレフで製作したという記事。こうしたアプローチ、好きですね(笑)。確かに20cmユニットとなれば、大きなマグネットの付いたゴリゴリの限定ユニットでも無い限り低音は出るでしょう。重いウーファーではなく軽い紙のコーンなら小気味良い低音が聴けそうではありますね。ベースの音を聴きたくて、という「目標」があるのも自作の醍醐味かと思います。
総じて24年12月号、楽しく読まさせていただきました。現在はあれもこれもと買える状況には無いですが、色々想像してみるのは面白いですね。
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