Amazonのプライムセールで買ってしまいました、HARIOの「SUIRENドリッパー」。
いや~、決して衝動買いではないんですよ。発売以来、頭の隅にちらちらと「何だかいいな~」と思いつつ過ごしてきたわけで。やっぱり見た目が良い、というのは強いですよね。特に気になっていた「トリコロール」カラー、派手過ぎず地味過ぎずでちょうど良いカラーリングではないですか(いや、人それぞれだから)。
セールの時は配送が遅くなってしまうのは仕方がありません。じっと我慢して届いたドリッパー、箱が他のドリッパーに比べるとずいぶんコンパクトです。開けるとなるほど、パーツがうまくまとまって収納されております。組み立てる喜び、みたいなものがありますね。

HARIO「V60 ドリッパー」の特徴の一つに「スパイラルリブ」があります。これでドリッパーとペーパーを「少し浮かせる」事で抽出速度を速めているんですね。「SUIRENドリッパー」の場合は、羽のような花びらのようなパーツの一つ一つが、組み立てるとちょうどリブの形になっているわけですね。つまり壁がなくリブだけのドリッパーと言いましょうか。
果たしてこれは「ヴィジュアルに特化したV60」なのか、それとも別の特徴を持つドリッパーなのか。


イメージとしては、壁が無いのでコーヒー豆の膨らみを阻害するものが無くなりますね。また、リブの部分に掛かる力が大きくなりそうな。リブとリブの間が引っ張られますからね。それらの要素が抽出速度にどう影響するのか。
まずはドリップしてみるとしましょう。
豆はタンザニア(キリマンジャロ)スノートップ。爽やかな酸味が特徴です。これで淹れるとどうなるか…

あまりこの豆からは感じたことのない苦味やコクも出てきました。やはり抽出速度なんでしょうか。正直、そんなに遅いようにも感じなかったのですが。
ならば、実際に比較して計測してみましょうか。普通の「V60」とこの「SUIREN」の抽出速度を比較します。豆はこのドリッパーと同時期にプライムセールで購入した「サザコーヒー」の「スペシャルブレンド」を使います。煎り具合は中~中深煎りくらいですね。豆はそれぞれ15g、お湯を230ml投入(50→60→60→60mlの4投)します。お湯を落とし切りにして、抽出時間を計測します。


実際の結果は…「V60」が2分25秒、「SUIREN」が2分42秒という結果でした。15~20秒という差、確かに違いはありますね。まあ、普段は個人的にあまり落とし切りにはしないですし、落とし切りにするならもう少し向いた豆があったかとは思いますが、今回はあくまで抽出時間の比較を主眼に置いたので、ここはご勘弁を。
味も比較してみましょう。「V60」の方はスッキリと飲みやすい、飲み慣れた味です。また、このブレンドの特徴(と思っている)甘味を感じますね。まあ、この豆に関しては4投ではなく5投にした方がコクが出て良いのですが、今回はあくまで(以下略)…

さて「SUIREN」の方はどうでしょう。…おお、タンザニアでも感じた「苦味」が加わっています。コクもありますね。これなら4投でも十分行けます。やはりゆっくり落ちる違いは明確にありますね。ただ、少々渋みも加わっていて、これは実際には落とし切る前にドリッパーを上げた方が良いという事でしょう。今回はあくまで(しつこい?)…
まとめれば「V60」は甘みが際立っていて、「SUIREN」は苦味あるいはコーヒー感がよく出ていたと感じました。


そんなわけで、この「落ちるのが遅くなる」のを利用して深煎りをゆっくりドリップしてみるのも良いでしょうね。浅煎りでもこれまでとは違ったテイストが味わえるかもしれません。決してヴィジュアル優先でもなく、新たな味を引き出せるドリッパーではないでしょうか。

このドリッパー、組立式なので洗うのが面倒になる…のは事実なんですが、私の場合は毎回バラバラにして洗ってはいません。ひっくり返しても部品が落ちることも無いので、そのまま流水の勢いで洗い流しています。羽の部分が特に汚れが付着しやすいので、時々は外す必要はあるでしょうけどね。「それはダメだろう」という声があるのも当然かと思うので、あくまで個人的な洗い方です。
あとは気分を変えて、このリブを入れ替えたりして楽しむのも良いですよね。見て良し使って良し、決して見た目だけのドリッパーではないことがよく分かりました。

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