音楽ジャンルを表す用語で最近あまり聞かなくなったものに「ブルー・アイド・ソウル」がありますね。確かに各方面に配慮すると、言いづらいワードな気もします。だからここで用語に対する説明は避けましょうか。
とにかく60年代から存在するジャンルではありますが、80年代はかなり隆盛を極めたのではないでしょうか。AORやニューロマ界隈と被る部分もありますよね。そんなわけで、今回はそんなソウルフルなアーティスト達を挙げていきますね。
ホール&オーツ
「ブルーアイドソウル」と言うと、個人的には彼らを真っ先に思い浮かべます。ダリルの伸びやかで湿りを帯びた声って、まさに「そんな感じ」ではないでしょうか?現在二人の関係が修復不可能な状況なのは残念ではありますが…。ダリルはYouTubeで今も活躍していますね。
シンプリー・レッド
ミック・ハックネルの声も好きですね~。ソウルフルな中にも陰影感があると言いましょうか。新たに代表曲を再録音したグレイテスト・ヒッツもリリースされますね。80年代には3枚のアルバムをリリースしていますが、この中では一番地味かもしれないセカンドアルバム「Men And Women」を個人的には好んでいます。
スタイル・カウンシル
ポール・ウェラーとミック・タルボットが組んでいたこのバンドはソウル風味といかにも英国調なサウンドが融合した事で「オシャレ」なフレーバーも獲得したという、稀有のユニットだったと思います。ウェラーはジャムでもソロでも、このサウンドは出していないですもんね。タルボットの影響も大きかったのでしょう。
ポール・ヤング
ホール&オーツのカバー「Everytime You Go Away」が大ヒットしましたね。その前のヒット「愛の放浪者」(マーヴィン・ゲイのカバー)もそうですが、こういうミディアム・スローなナンバーを歌うのが本当にうってつけの声なんですよね。ただ、オリジナル曲でのヒットというイメージがあまり無いのが痛かったでしょうか…。いっそ振り切ってカバーに徹するのも良かったのでは?と思ってしまいます。
スティーヴ・ウィンウッド
もちろん80年代に限らない大・レジェンドなんですが、一番ヒットを飛ばしたのがこの80年代でした。うねるキーボードと、ハイトーン・ボイスがまさにソウルフルそのもの。大ヒットした「ハイヤー・ラヴ」「ロール・ウィズ・イット」、この2曲はヒットもしましたが聴けば聴くほど魅力が増してくる良曲でもあります。
カルチャー・クラブ
見過ごしている面もありますけど、ボーイ・ジョージの声と歌い方ってかなりソウルフル。たとえば大ヒット曲「カーマは気まぐれ」。いかにも80年代風のサウンドで覆われてはいますが、そこから聞こえるヴォーカルは結構「黒い」ですよね。
ファイン・ヤング・カニバルズ
ヴォーカルのローランド・ギフトのファルセットが特徴的なユニットでした。「She Drives Me Crazy」をヒットさせたのは89年で、ギリギリ80年代です(笑)。他にない個性を持っていたと思うだけに、活動期間が短かったのは残念。
ブロウ・モンキーズ
フロントマンであるDr.・ロバートのルックスも相まって、日本でも「Digging Your Scene」がヒットした印象がありますね。実質彼のユニット、と言っても過言でもないのでブラックミュージック好きがモロに出ている曲構成ですね。バンドにサックスがいるのも特徴的で、スタカン同様「オシャレ」感もありますよね。
スクリッティ・ポリッティ
シンセポップとブラックミュージックとのマリアージュ、という印象でしょうか。フロントマン、グリーンの中性的な声がエレクトロなサウンドと見事に溶け合っています。帝王マイルス・デイヴィスが「Perfect Way」をカバーしていますね。
ジョージ・マイケル
1stソロアルバム「フェイス」を聴いたらわかりますね~。全米ブラックチャートで一位を記録したのも納得の内容です。アイドル時代のイメージが足を引っ張らないか?と思うくらいのクオリティですが、同時に併せ持つ強力なポップセンスで売れに売れて心配御無用、といった勢いでしたね。天才がベールを脱いだ、そんな印象でした。
ブルーアイドソウルって、根底にグルーヴがありますよね。そのおかげで心地良く音楽に「ノる」ことができるというわけです。現在でも相当する曲なりアーティストなりは存在するはずですよね。



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