「音楽に耳を傾けながらコーヒーを飲む時間」、貴重ですよね。カフェや喫茶店でふと流れてきた音楽、「お、これって今飲んでいるコーヒーにピッタリじゃん」ということが嬉しくなってしまうと同時に、コーヒーがより一層美味しく感じられたりします。もちろんジャズ喫茶へ行く、という手もありますけれど、自宅でも音楽を流しながらコーヒータイムを楽しめたら良いですよね。

そんなわけで今回は、コーヒー豆別にそれに相応しいと思われる音楽をジャズ中心に紹介したいと思います。
第一回は「エチオピア(モカ)」で行きましょう。
エチオピア、と言えばやっぱり柑橘系(ウオッシュド精製)だったりベリー系(ナチュラル精製)のフルーティなテイストで、華やかで明るい酸味が持ち味ですね。フローラルな香りに癒されます。苦味は少なく、すっきり爽やかなコーヒーと言えますね。特にナチュラル精製のエチオピアを飲んで「こんなコーヒーがあったのか!」と驚かされてスペシャルティなコーヒー沼にハマっていった方も多いと聞きます。かく言う私もそうです(笑)。
ではそんなエチオピア、どんな音楽がマッチするでしょう?
ビル・エヴァンス「Sunday at the Village Vanguard」

真っ先に思い浮かんだのがビル・エヴァンスでした。もちろん定番にして同日のライヴ演奏でもある「Waltz For Debby」も良いのですが、スコット・ラファロの引き締まったベースがより歌っているこちらの方がキリッとしてフルーティなエチオピアと上手いことマリアージュしているのでは。ドリップしている時間にも流したいですね。そしてコーヒーを飲みつつ聴き込む。至福のひととき。
ラルフ・タウナー「Solstice」

割とソロやデュオでの作品が多いタウナーですが、こちらはカルテット。楽器がいつもより多いからなのか、タウナーもアグレッシヴに演奏しています。サックスのヤン・ガルバレクもフリーキーなトーンを炸裂させていまして、全体的にもジャズロック的なアルバムになっています。しかしそこはECMレーベル。尖りを丸めたソフィスケートされた雰囲気でまとめられ、コーヒーの味わいをより引き立ててくれます。
ジム・ホール「Concierto」
ギターものをもう一枚。「CTI」レーベルを代表する作品ですね。ここのレーベルはBGM的、イージーリスニング的とも言われているのでそのような用途にも使いやすいですが、ラインナップは名手揃いですので聴き込んでも味が出てきます。このアルバムもドリップのBGMにしつつ、後半の「アランフェス協奏曲」で淹れたコーヒーを飲みつつジム・ホールの名演を楽しむのも良いのではないでしょうか。
ムラトゥ・アスタトゥケ「Ethio Jazz」
エチオピアのジャズミュージシャン、ということで検索していたらこの名前がまず出てきます。長年ジャズを聴いていましたが、初めて聞く名前でした。しかし「エチオ・ジャズ生みの親」(Wikipediaより)ということでかなりのビッグネームであることがわかります。エキゾチックでワールド・ミュージック的ではありますが、洗練も感じて確かにジャズらしさを強く感じますね。神秘的な要素もあるので、エチオピアのコーヒーが持つ酸味ともうまく絡み合っているのではないかと。結構ハマります。
ノラ・ジョーンズ「Feels Like Home」
ヴォーカルものも選びたいですね。この爽やかな声こそ、エチオピアのコーヒーそのものではないかっ!と全くの独断ながら思います。そしてジャケの色からもこのアルバムが一番コーヒー的ですね(笑)。まあ、自分が好きなアルバムということもありますが、どの曲もコーヒーで例えるとフルーティかつフローラル。まさにそのものです。
音楽とコーヒー。コーヒーと音楽。両方がより引き立てば最高ですよね。また不定期で他のコーヒー豆と音楽とのマッチングをお話ししてみたいと思います。




コメント