80年代洋楽を思い出す(28)〜ブレイク後、次のアルバムは?

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今回はブレイクを果たしたアルバムの「次」にスポットを当ててみました。プロスポーツ界隈でよく言われる「2年目のジンクス」ではないですが大ヒットを出した次、というのは制作する方もなかなか大変ではないのかな…と想像されます。まあ、自分にそんな状況はあり得ませんが(笑)。

90年代の作品も出てきますが、あくまで80年代に大ヒットアルバムを出したその後、ということでどうかご勘弁を…

TOTO「アイソレーション」

売れに売れたアルバム「TOTOⅣ」の次作は当時周りの洋楽好きも楽しみにしていました。個人的にも洋楽を聴き始めたのは83年頃でしたから、82年の「Ⅳ」はギリギリ「少し前」のアルバムなんですね。なのでリアルタイムで初めて聴くTOTOのアルバムがこの「アイソレーション」だったわけです。しかしこのアルバム、メインヴォーカルが交代していたんですね。ボビー・キンボールからファーギー・フレデリクセンへの変更は、結構バンドのイメージを左右する事態ですね。ハイトーンヴォイスが光るファーギーはどちらかと言えばハードロックが似合うタイプでしょうかね。とは言えスティーヴ・ルカサーやデヴィッド・ペイチも従来通りヴォーカルを勤めたりしているので、これまでのTOTOらしさはそれなりに維持されてはいるとは思います。個人的には「悪くないけど、ちょっと違う?」という印象でしたかね。シングル「ストレンジャー・イン・タウン」もTOTOにしてはバンド感が足りないかな…と思ったものでした。周りもそんな感じだったように記憶しています。セールスに関しては全米42位と、大きく後退しました。しかし日本ではオリコン2位と、相変わらずの人気を示しています。その後のアルバムリリースもしばらく日本でのセールスは高い状況は続きました。

ブルース・スプリングスティーン「トンネル・オヴ・ラヴ」 

「ボーン・イン・ザ・USA」という超特大ヒットアルバムの次、一体どういうアルバムになるのか?私も当時楽しみに待っていました。それまでに過去5枚のアルバムを順次買い揃えたりもして。そうして登場した「トンネル・オヴ・ラヴ」。高校生だった私には「あれ、ずいぶん地味だな」という第一印象でしたが、過去作を聴いていたこともあってすんなり受け入れられました。言うても「ネブラスカ」よりはポップだし、などと思いつつ。実際調べてみると全米1位を獲っていますし、シングルも3曲TOP20以内に送り込んでいます。「ボーン・イン…」が凄すぎるだけで、大ヒットと言えますね。ブルースの長い長いキャリアから俯瞰してみても、「ボーン・イン…」が作風にしても逆に「浮いている」のかもしれません。

ストーン・ローゼス「セカンド・カミング」 

衝撃的なデビュー作から4年以上経った1994年に発売されました。時代はブリットポップ、そして作風は一転してツェッペリンに影響を受けたハードなもの。当時賛否両論を巻き起こしました。確かに「エレファント・ストーン」や「フールズ・ゴールド」みたいな分かりやすいグルーヴ感は控えめになりました。「ローゼスらしさ」的なものをそこを優先して求めてしまうと厳しいのかもしれません。また、アルバム全体のイメージとしては「電飾で明るく照らされた夜のファースト」と「常夜灯だけが灯された夜のセカンド」という違いがあると思いました。どちらも「夜」ではあるんですけどセカンドの方が暗いんですね。…分かりづらい例えだったかもしれませんね。とは言えセールス面では最高位イギリス4位、全米も47位と決して「売れていない」わけでもありませんね。個人的には当時愛聴盤の一つでした。「この暗さも悪くないじゃないの」と…。

このジャケの黒っぽい色も、アルバム全体の印象を表現している様にも思えてきますね。

U2「アクトン・ベイビー」 

「ヨシュア・トゥリー」の超の付く大ヒット、厳密には次作はライヴ盤の「ラトル・アンド・ハム」になりますが(これも売れましたね)、スタジオ作としては91年の「アクトン・ベイビー」ですね。結局はこちらも全米1位の大ヒット。シングルヒットこそ前作よりパワーダウンした感はあるものの、アルバムアーティストとして人気を盤石なものにした、という印象が強いですね。

ガンズ&ローゼス「ユーズ・ユア・イリュージョン1&2」

何せ「アペタイト・フォー・ディストラクション」は当時売れたし、実際よく聴いたものでした。ハチャメチャだけどハードでゴキゲンなロックンロールが溢れていましたからね。さてこの次作、ミニアルバムを挟んでフルアルバムは91年2枚に分けて発表されました。これらは2枚あるにも関わらず、それぞれ全米1位と2位を獲るという快挙を成し遂げました。個人的には「良いけど、何だか普通のハードロックバンドになっちゃったかな」という印象でしたね…うねる様なノリが減少して直線的になったと言うか。

スティーヴ・ウィンウッド「ロール・ウィズ・イット」 

「バック・イン・ザ・ハイライフ」が売れに売れましたが、次作であるこのアルバムも引き続き大ヒットでした。リードシングルだったタイトル曲も「そりゃ、売れるよね」という、スティーヴの張りのあるハイトーンヴォイスが活きるキャッチー且つ聞き応えのある名曲ですね。90年代に入ってからはセールス面では下がってきますが、個人的には良い作品をリリースし続けている印象です。この人にしか出せない声と演奏するキーボードの音、ってあると思うんですよね。10数年前に観た、クラプトンとの双頭ライヴも良かったなあ…。

カルチャー・クラブ「ハウス・オン・ファイヤー」  

1st、2ndが大ヒットしましたが、3rdであるこの作品は全英では最高2位だったものの、全米26位と前作の2位から順位を落とす結果になりました。リードシングル「戦争のうた」も17位(全英では2位ですが)とスマッシュヒットに終わりました。確かに当時の印象としてもシングル向けの曲が少なかったような、つまりはちょっと地味かな…というものでした。さらに次のアルバムは少し持ち直したような感もありましたが、徐々にフェードアウトしていった印象があるのは否めません。唯一無二の声とグルーヴ感を持つボーイ・ジョージ、大ヒットし過ぎた故の苦しみがあったのだろうかと邪推してしまいます…。

大ヒットからその地位を盤石なものにしたり、別のアプローチを試みたり、結果は様々でしたね。他にもまだまだありますが、長くなったので今回はこの辺で…。続編をまた機会があれば書いてみたいと思います。

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