密閉型スピーカー製作記(4)

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ワクワクするものの、当然不安も感じるものですね、スピーカーを作って最初の試聴というのは。もちろん「まあ、鳴らし始めだし…早急な判断はするべきじゃないよね」みたいなエクスキューズも、聴く前から用意していたりするわけなのですね。ココロの防御です。

スタンドにセッティングですが、前回に写真で既にアップ済みなのでお分かりかもしれませんが、やっぱり少し大きいかもですね。とは言え、慎重に寸法を割り出した甲斐もあって、そんなに悪くはありません。特に横幅は面取りをしたお陰もあって、結構スリムにも見えます。そして自慢(??)のアンティーク仕上げも、手前味噌ですがまあまあオシャレじゃね?的な風貌かと思います。もちろん異論は認めます(笑)。でも市販メーカーには、こういうのはあるまいて。スピーカーメーカーは結構北欧にもありますが、北欧雑貨メーカーとコラボすればオシャレなモデルも出来そうなものだけどな〜などと妄想してしまいます。日本には来ていないだけかもしれませんね。

前回は左chを載せたので、今回は右の姿をお見せします。

話は逸れましたが、ケーブルも繋いでようやく(すいません)試聴です。

…金属コーンなので、最初はもっとシャカシャカ言うかなとも思いましたが、杞憂でした。確かに中高域に少し派手さは感じますが許容範囲です。中域は少し張った感じがあるか? 中低域に関しては、それまで聴いていたのがバスレフだったので量感は比較すると控えめに感じますが細マッチョのように引き締まっています。ただ、低域。これは不思議な感覚でした。これまで聴こえなかった、何と言うんでしょう「ズゥゥゥゥーン」と低い低い音が出てくるんですね。ああ、なるほど。これが密閉型から出る低域ですか。面白いじゃないですか。フルレンジの軽めなコーンだからでしょうか、それ程重苦しかったり鈍さも感じないのでちょうど良い感じです。

簡易ではありますが、周波数特性も計測してみました。250Hz辺りが盛り上がっていて、そこから低い方へはダラ〜ッと下がって行ってますね。あとは8kHzにピークがありますが、これはユニット固有の仕様との事です。そういう音作りという側面もあるのでしょう。

30Hz以下もちゃんと出ているのが分かりますね。250Hz周辺と8kHzにピークが。

やはり、バスレフのように低音が急激に減衰する事もなくナチュラルなカーブになっているのが密閉型らしいのではないでしょうか。

このユニットはエージングにじっくり時間をかけて欲しいそうで、よくやるような過激な信号をぶち込んで強制バーンインを行うような事は推奨されていません。しばらく普通に好きな音楽を鳴らして、様子を見ることにしましょう。

そうやって一週間経ち、少し気になっていた中域の張りが抑えられてきたようでした。変化はあるでしょうか。また計測してみましょう。

250Hz周辺にあったピークがなくなりました。こうなるとカマボコですね。

おお、この前より250Hzの出っ張りが見事に平されているではないですか。カマボコバランス的ではありますが、フラットにも近いですよね〜。これはかなり素性が良いのではないでしょうか。

そうすると、何だか欲が出てきます。あとはこのカマボコバランスを、もう少しフラットに出来ないものか? 630Hz〜2kHzの山を削れば、相対的に低域を強く感じる事が出来るのでは?

どうすれば?思いついたアイデアはありました。しかし急いては事を仕損ずる。何せまだエージング中なのでした。ここは一旦落ち着こう。待ちましょう。音が落ち着くまで。

3ヶ月ほど経つと、わずかにシャリついていた部分が取れてきて、艶のような感触が出てきました。さあ、どうやら時は来たようです。密閉型のチューニング、行きます。

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