オアシスが再結成というニュース、本当に月並みな感想になっちゃいますけど驚きましたね~。ギャラガー兄弟の顔に刻まれた皺を見ると、ずいぶん年月の経過を感じたりもします。もう再結成はさすがに無いかな、と勝手に思っていましたから。まあ、解散した時も「解散しそうでずっとしないんじゃないか」などとやはり勝手に思っていましたから「何ぃ?」と驚きましたけどね。
そんなオアシスが登場してスター街道を駆け上った90年代当時のシーン、「ブリットポップ」について今回はお話ししてみましょう。
前にも触れた「マッドチェスター」ムーブメントが落ち着き、その影響下にあったバンド「ブラー」が3rdアルバム「パークライフ」をリリース。ここからの先行シングル「Girls & Boys」が大ヒットしました。この曲はマッドチェスターサウンドとは異なる王道英国調なポップサウンドをこれでもかとばかりに炸裂させていたのです。諸説ありますが、ここから「ブリットポップ」は大々的に始まったと言えるのではないでしょうか。
そしてオアシスが1stアルバムをリリースします。デビュー曲「Supersonic」からして、ビートルズに影響を受けた荒々しくもメロディアスなサウンドはやはり王道英国調。大喝采をもって迎え入れられます。両バンドはブリットポップの二大巨頭として君臨するようになります。
名高いのは互いの次のアルバムからの先行シングル。ブラーの「Coutry House」とオアシスの「Roll With It」、この2曲が同時に発売される(合わせたようです)とあって、「どちらが(売上枚数で)勝つか」という発売前から大きな話題となりました。この盛り上げ方、上手いですよね。
結果としてはブラーの勝利だったようですが、その後発売されたアルバム(オアシス「モーニング・グローリー」、ブラー「グレート・エスケープ」)についてはオアシスの勝利でした。
そんなムーブメントも97年頃を境に下火になって行きます。どんなバンドもやはりアーティスト、金太郎飴的な作品をいつまでも出したくはないですわね。象徴的だったのはブラーが5枚目のアルバム「ブラー」で自ら?ブリットポップに終止符を打ちました。
それではこの2バンドも含めて「ブリットポップ四天王」と呼ばれるバンドを紹介しますね。
オアシス
もろにビートルズの影響が色濃いバンドですよね。ギタリストでソングライターのノエル・ギャラガーとヴォーカリストのリアム・ギャラガーの兄弟がメインで、他メンバーは度々交代しています。なので今回の再結成でどういうラインナップになるのかも楽しみですね。兄弟二人とも、とにかく口が悪いので喧嘩は日常茶飯事、ゴシップ誌を喜ばせていました。今ではビッグクラブですが当時は「古豪だけどいかにも地元のチーム」だったマンチェスター・シティのサポーターで、当時から超ビッグクラブだったマンチェスター・ユナイテッドをディスりまくっていたのが印象的でした。解散までに7枚のスタジオアルバムをリリースしました。ブリットポップと呼ばれるのはアルバム2枚目まででしょうかね。少々重い曲調が多かった3枚目が出た時は「あれ?」という印象を禁じ得なかった事を覚えています。
ブラー
フロントマンであるデーモン・アルバーンとギタリストのグレアム・コクソンが中心。当初はマッドチェスターの影響下にあるサイケ調なバンドでしたが、前述の通り3rdでポップセンスが開花します。しかし前述の通りブリットポップを終わらせた後にはオルタナティヴな方向へ向かい、それを成功させました。特にシングル「Song2」は大ヒットしましたね。度々活動休止期間はあるものの、昨年8年ぶりに新作をリリースしました。ブリットポップのイメージが強いせいか、アメリカではデーモンのサイドプロジェクトである覆面バンド「ゴリラズ」の方が知られていますかね。
パルプ
長い下積みの末に95年のアルバム「Different Class(邦題『コモン・ピープル』)」が全英No.1ヒット、シングル「Common Peaple」も2位とブリットポップシーンを大いに盛り上げる存在になりました。フロントマンのジャービス・コッカーの個性的なキャラクターもバンド人気に一役買いましたね。余談ですが映画「イエスタデイ」で主人公に彼女を譲る登場人物(イイ奴)が「1位を取れなかった最高の曲はいくつかあるさ、例えばパルプのコモン・ピープルみたいに」と自分を慰めるように言うシーンは印象的でした。ただ次のアルバムが何だか重苦しい内容になってしまい、それと共にブリットポップ自体も終焉に向かっていくという…
スウェード
こちらはムーブメント以前にもヒットしていましたが、サウンドを特徴付けていたギターのバーナード・バトラーが脱退してしまってアルバムも売れず、危機が訪れます。しかし96年にリリースしたポップなアルバム「カミング・アップ」が大ヒットして復活、「Trush」を皮切りに5枚のシングルを全英トップ10内に送り込みます。ブリットポップの流行にうまく乗った形になりましたね。フロントマンであるブレッド・アンダーソンの個性的な声や歌い方も他バンドとの差別化になったのではないでしょうか。
このように、ブリットポップは中心バンドの方向転換が衰退していった大きな要因と言えそうですね。また、有象無象の後追いバンドが出たため、とも言われています。とは言え、良いバンドがクローズアップされるようになったという側面も見逃せないのではないかと思います。例えば、
- ブー・ラドリーズ
- ブルートーンズ
- キャスト
- オーシャンカラーシーン
- クーラ・シェイカー
といったバンドは個人的にも好きなバンドでした。90年代の英国ロックシーンは、ブリットポップの流行でかなり盛況だったと言えるのではないでしょうか。
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