続・低価格プリアンプを求めて

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前回からの続きです。「ifi ZEN CAN」の初試聴でしたが、左チャンネルからの音がずいぶん小さいのです。こういう時は何だかガックリ来ますね。まあでも、これは…と左右のケーブルを入れ替えてみると予想通り、右チャンネルからの音が小さくなりました。はい、犯人はケーブルですね。不良品という事で、あっさり即返品となりました〜

特殊なケーブルなので代用も出来ず、次のケーブルが届くまで我慢なのでした。今度は別のところ(CABLECRAFT音光堂)から注文しました。こちらのケーブルは「モガミ」製です。製作も日本なのでその点で決めました。

新しく届いたケーブル。丁寧な仕事ですね。

2日後、届いたケーブルを接続です。と、ここでまたトラブルが!パワーアンプの左右端子間隔が離れているため、ケーブルは一本から左右に分岐させている構造上、届かないのです。これはちょっと焦りました。とりあえずやれる事を…と、せっかく丁寧に仕上げている左右分岐部分の熱収縮チューブに切れ込みを入れ、少し拡げることが出来ました。これでダメならシース自体を切らなきゃなあ…と思いつつ再接続を試みました。

おお、接続出来た!胸を撫で下ろしました。少し時間をロスしてしまいましたが、ようやく試聴です。

設置風景。インシュレーターは黒檀製のものを非対称な3点支持です。
形状上、安定させるのがなかなか難しく…(笑)

普通に鳴りました。DACから直結していた時とそれ程変わらない、つまりは味付けを極力しないタイプの音という事でしょう。ゲインも切替できましたが、一番低いので良さそうです。

ただ、聴いているうちに気になって来ました。ボーカルが声を張り上げたりするところで、歪みが発生するのです。ゲインは一番小さい数値にしているのですが…ifiのホームページから相談してみました。返答はすぐにあり「お使いのDAC『mojo』はゲインが高いので、3.5mm入力ですとオーバーします。RCA端子の方に、変換ケーブルでの入力をお勧めします」との事でした。なるほど。これなら以前までホヴランドに入力していたのと同じやり方なので、何の問題もありません。フォノイコからの入力を3.5mmにするしか無いですね…こちらはRCA-3.5mm変換ケーブルをまた注文する事にしますか。ifiさん、素早い回答をありがとうございます。

そんなわけで、「mojo」からの接続は以前のように3.5mm→RCA変換プラグを使って愛用のカルダス「ゴールデンリファレンス」を「ifi ZEN CAN」に差し込みます。ぶっといケーブルが小さな機器に、という何ともアンバランスではありますが(笑)。

出てくる音は、もう歪む事もなく安心です。カルダスの効果もあって、厚みも出て来ました。やはり基本的には色付けの少ない、素直な音調ですね。DACの音をそのままパワーアンプに送り込んでいる印象です。本当にホッとしました。ここまで来るのに、意外に長い道のりでしたからね〜いや良かった良かった、と。

ただ、気になるのが。真夏という時期にしても結構熱くなるんですよ。検索してみると、同様の症状が多々見られたので自分だけではないので少し安心しましたが、対策はせねばなりません。ここは小さなヒートシンクを入手して、置いてみました。両面テープも付属していましたが、さすがに貼り付けるのは嫌ですね。

ヒートシンクをこのように上に置いています。ロゴはなるべく見えるように…
後のワタはアコリバ「ピュアシルク・アブソーバー」で、静電気対策です。
実際に静電気が取れているかは分かりませんが、音には表れますね。

その結果、少し熱は抑えられました。ヒートシンクも温かいので効果というか安心感は増したのではないでしょうか。見た目は少々アレですが…(笑)

さて、変換ケーブルも届いたので、レコードを聴いてみました。

3.5mm→RCA変換ケーブル。線材はカナレ製です。
PayPayフリマより購入しました。

レコードの方も、安心して聴くことが出来ました。アナログらしいドラムの激しいアタック音も難なくこなしますし、モノラルの太い音もしっかり鳴らしてくれます。こちらもフォノイコの音をそのままパワーアンプに注ぎ込んでいる感じがしますね。プリとして、優秀な機器だと思います。

さすが、デジタル機器として実績のあるifiが敢えて出したアナログ系(デジタルデバイスでは無いという意味で)機器だけあって、大変コストパフォーマンスの高いものである事は体感することが出来ました。十分、ピュアオーディオの機器として使える器です。試聴もせずに購入しましたが、買って良かったと思える製品でした。

物足りない点を挙げるとしたら、「聴いていてハッとさせられるような瞬間は無いかな」というところでしょうか。音楽の裏の裏を抉り出す、とでも言いましょうか。優秀ではありますが、情緒に訴えるような要素は少ないかもしれません。ただこういった要素は、やはり高級機器が担当する領域だと思いますね。だから高級機器は高級機器たり得る、と言いましょうか。

でもこの「ifi ZEN CAN」も組むパワーアンプ次第かもしれないですが、「おおっ」と言ってしまうくらいの感動は与えてくれますよ。

iPower2は、ロゴも入ってデザインがかっこ良くなりました。

(追記)
購入後知ったのですが、ifi製品は22年9月より価格改定という事で、まあ買っておいて良かったですわ…ただ、「iPower2」も値上げではないか!という事で数日迷った末、結局購入しました。ならば最初から「シグネーチャー」を…という気がしなくもないですが、まあウダウダ言っても仕方がありませんね(笑)。導入して音には引き締まった厚みと僅かなチリチリ感が減って、より聴きやすくなりました。ノイズフィルターは咬ましていたとは言え、ACアダプタから電源強化はやっぱり基本ですね。

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