かつての日本では作詞作曲と歌い手は別であるのが「普通」でした。海外でもそれを打ち破ったのがビートルズと言われています。それからは特にバンド形態においては自作自演が当然、という流れになって来たのです。日本ではフォークからシンガーソングライターへの流れで自作自演は根付いて来ましたね。もちろん、アイドルや演歌といった分野ではそうではありませんが。
さて80年代洋楽界においてはどうか。実はまだまだ「職人」的なソングライターもかなり存在感を示していたのです。今回はデズモンド・チャイルド、ダイアン・ウォーレンという二人のソングライターにスポットを当ててみました。
デズモンド・チャイルド
まさにハードロック!というイメージが強い名ソングライターですね。このハードロックのツボを押さえつつ、「売れる」メロディーを書けるという事が大きな強みでしょう。ハードロックを一般ポップスファンにも浸透させた功績も大きいのではないでしょうか。代表曲を紹介すると…
- 「Dude (Looks Like A Lady) / Aerosmith」低迷していたエアロスミス、RUN D.M.C.とのコラボが成功した後を受けて出したこの曲が復活を盤石なものにしましたね。
- 「Livin’ On A Prayer / Bon Jovi」この曲が無かったら、ボン・ジョヴィの立ち位置はどうなっていただろう?と思わされますね。
- 「Poison / Alice Cooper」知る人ぞ知る存在(いや、もちろん凄い人ですが)だったアリス・クーパーをメジャーシーンに引き上げました。
90年代に入っても上記3者との関係は続きます。今に至るまで曲を書き続ける、レジェンドですね。
ダイアン・ウォーレン
良い意味でけれん味たっぷりのポップス、バラードを書かせたら彼女の右に出る者はいないのではないか、と思わせてくれるポップス職人ですね。Aメロ→Bメロ→サビへの流れが素晴らしいと思います。まさに王道。特に80年代後半から90年代にかけて大活躍しました。80年代に限っても大ヒット曲は多いですね。列挙してみると…
- 「Nothing’s Gonna Stop Us Now(愛は止まらない) / Starship 」
- 「Look Away / Chicago」
- 「Blame It On The Rain / Milli Vanilli」
- 「When I See Your Smile / Bad English」
- 「If I Could Turn Back Time / Cher」
- 「I Get Weak / Belinda Carlisle」
これらは全てTOP3以内の大ヒットとなっています。どの曲も本当にポップで親しみやすいですよね。90年代でも特にエアロスミスの大ヒット曲、映画「アルマゲドン」でお馴染み「I Don’t Want to Miss A Thing」が白眉ですね。
まさにこの二人、ヒットメーカーという呼称がピッタリですよね。プロデューサーの項でも紹介したデヴィッド・フォスターもソングライターとしてもこの二人に並ぶヒットメーカーだったかなとも思いました。シンガーソングライターばかりが注目されがちですが、こうした「ヒット職人」も縁の下で音楽界を支えているんですね。
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