昭和から平成に元号が変わり、ベルリンの壁が崩壊したり、消費税が税率3%でスタートした1989年。世の中が大きく動いた年ですね。「ゲームボーイ」が発売されたのもこの年でした。
そんな80年代の最後を飾る1989年。全米年間チャートを見てみましょう。(ビルボードによる)
- Look Away / Chicago
- My Prerogative / Bobby Brown
- Every Rose Has Its Thorn / Poison
- Straight Up / Paula Abdul
- Miss You Much / Janet Jackson
- Cold Hearted / Paula Abdul
- Wind Beneath My Wings / Bette Midler
- Girl You Know It’s True / Milli Vanilli
- Baby I Love Your Way / Will to Power
- Giving You The Best That I Got / Anita Baker
年間1位にはシカゴ「ルック・アウェイ」が輝きました。とは言え、当時(今も、ですが)驚きましたね。ヒットメイカー、ダイアン・ウォーレンによる良い曲ではありますが、1位?という。しかも1位は88年の年末に記録していました。まあ、12月は翌年の集計に回されるんですけどね。
2位には「ボビ男」ことボビー・ブラウンの大ヒット曲。「ニュー・ジャック・スイング」と呼ばれるジャンルを代表するアーティストおよび曲ですね。
3位はメタル・バンド、ポイズンのアコースティックなパワーバラード。バンド最大のヒット曲になりました。
4位と6位に当時人気に火がついた、ポーラ・アブドゥルが入りました。振付師でもある彼女のダンスはPVでも遺憾無く発揮されています。
5位はそのポーラ・アブドゥルが振り付けを担当したジャネット・ジャクソンの大ヒット曲。この辺りでジャネットは「ジャクソン」の殻を打ち破って自己を確立したと言えるのではないでしょうか。
7位にはベット・ミドラー。自身が主演を務める映画「フォーエヴァー・フレンズ」の主題歌ですね。邦題は「愛は翼にのって」。定番と言っても良いバラードナンバーですね。
8位は後にグラミーを取り消されてしまったミリ・バニリ。ゴーストシンガーを使っていたという…。
9位にはピーター・フランプトンのカバーですね。正確には「Baby I Love Your Way/Freebird Medley」で、後者はレーナード・スキナード。
10位にアニタ・ベーカーのセカンドアルバムからのヒット。この落ち着いた低めの声、個人的には結構好きだったりします。
11位以下で個人的に気になった曲も見てみると、17位と22位にロクセット「The Look」「Listen to Your Heart」、18位にファイン・ヤング・カニバルズ「She Drives Me Crazy」、43位にグレイト・ホワイト「Once Bitten Twice Shy」、47位にB-52’S「Love Shack」が入っています。1988年に比べると、自分の好きなロック系が少なくなっているなあ…とは思ったりします。
それでは全英年間チャートの方もみてみましょう。
- Ride on Time / Black Box
- Too Many Broken Hearts / Jason Donovan
- Swing The Mood / Jive Bunny and the Mastermixers
- Back to Life / Soul Ⅱ Soul
- Like A Prayer / Madonna
- Something’s Gotten Hold of My Heart / Marc Almond feat. Gene Pitney
- Eternal Flame / The Bangles
- This Time I Know It’s for Real / Donna Summer
- Song for Whoever / The Beautiful South
- Requiem / London Boys
1位には個人的にも「89年はこの曲!」という、ブラックボックスが輝きました。「ハウスミュージック」という単語から、まず思い浮かぶ曲ですね。冒頭のピアノから「持っていかれ」ます。
2位のジェイソン・ドノヴァンは「SAW」プロデュースのバラード。男性アイドル的な人気がありました。
3位はオールディーズのメドレーでお馴染みのジャイヴ・バニー。曲の繋ぎもスムーズで、これで完成品のような秀逸なメドレーナンバーだと思います。
4位のソウルⅡソウルも良いですね~。90年代の橋渡し的な、ゆったりしているけどグルーヴィーなダンスナンバー。
5位はマドンナを代表する、壮大なナンバー。早くも「大御所」的な風情すら感じました。
6位は元々ジーン・ピットニーがヒットさせたナンバーを、元ソフト・セルのマーク・アーモンドがピットニーと共演したものです。マーク最大のヒットとなりました。
7位はバングルズの「胸いっぱいの愛」。何と言うか、切ない曲ですよね~。全米・全英共にNo.1ヒットになりました。

8位はドナ・サマーが「SAW」プロデュースで放ったヒット曲。ドナのドスの効いた歌声で、「SAW」サウンドでも軽く聞こえないのがいいですね。
9位のビューティフル・サウス。美しいメロディを爽やかに歌っていますが、歌詞の内容は強烈な皮肉に満ちたもの、という実に英国的なバンドです。
10位のロンドン・ボーイズは、男性ダンスポップデュオです。こちらは80年代的なユーロビート。
全英チャートについては、何と言ってもブラックボックスとソウルⅡソウルの両ユニットの登場ですね。これが何だか派手だった80年代サウンドから、低音のビートを生かしたグルーヴィーな90年代サウンドに移行しつつあった事が分かります。個人的にはこの辺りの低音のビートとアコースティックなサウンドをサンプリングしたダンスナンバーは結構好きだったりしました。オーディオでも映えるんですよね。
次はこの年にリリースされたアルバムで自分が好きなものを挙げていきますね。
- ストーン・ローゼス「石と薔薇」
- ザ・キュアー「ディスインテグレーション」
- トム・ペティ「フルムーン・フィーヴァー」
- ポール・マッカートニー「フラワーズ・イン・ザ・ダート」
- ローリング・ストーンズ「スティール・ホイールズ」
- XTC「オレンジ&レモンズ」
- ボブ・ディラン「オー・マーシー」
- ジョン・クーガー・メレンキャンプ「ビッグ・ダディ」
- ルー・リード「ニュー・ヨーク」
- ニュー・オーダー「テクニーク」

とりあえず10枚挙げましたが、この年も豊作ですね~。「90年代への橋渡し」という意味ではストーン・ローゼスの登場は象徴的ですし、ベテラン勢もポール・マッカートニーやストーンズが良いアルバムを発表してきました。ポールはエルビス・コステロと組んだことで復活した感がありましたし、ストーンズはこのアルバムを出して来日もしてくれました。XTCはこのアルバムが一番好きですね、サイケでポップで。ニュー・オーダーは当時ヘビロテしてました。こういうダンスとロックの融合にワクワクしたものです。
1980年から89年まで、10年に渡って80年代を振り返ってみましたが、一口に「80年代」といってもやっぱり年毎で違うと言いますか、川の流れではないですが音楽も「動いて」いたのだなあ、と月並みかもしれませんがそんな感想を持ちました。80年と89年では全く違いますもんね。
このまま90年代もこうやって振り返っていこうか…現在考え中です。まずは、80年代はこれにて終了です。




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