PCデスクには以前書いたマークオーディオ「OM-MF519」を搭載したダブルバスレフの自作小型スピーカーを置いていますが、それを駆動するアンプについてはお話ししていませんでした。
中国製のデジタルアンプFosi Audio「V1.0G」という小さなヤツです。大きさに関しては、どうしても場所も限られていますしね。小さい事は正義です。
小さいながらもしっかりした音を出してくれますが、低域の迫力など「もうちょっと頑張ってくれないかな」と思う部分はありました。そんなわけで、「同じくらいの大きさで、他のアンプはどうだろう」という好奇心が芽生えてきたのです。
気になっていたのは「FX-AUDIO」。前からノイズフィルター「Petit Susie」「Petit Tank」でお世話になっているブランドですね。日本では「NFJ(株式会社ノースフラットジャパン)」が取り扱っています。いわゆる中華アンプでありながら、基盤設計など日本企業の手も加わっているという点で好感が持てます。
ここはアンプだけでもかなりのアイテム数を揃えているのでどれにしようか結構迷ったのですが、ここは定番機種にしようと「FX202A/FX-36A PRO」に決めました。出力は48W×2と小さいながらも定評のあるロングセラーにしてNFJの標準機です。また、最近部品を変更するなどのヴァージョンアップもしているとの事で、それも背中を押してくれました。
届いたアンプはほぼ「V1.0G」と同じくらいの大きさ、と言うか小ささで使いやすいですね。端子の位置もほとんど一緒なので結線も楽なのです。ACアダプタは別売との事でしたが、12〜24Vならば使用可なので19Vの「V1.0G」付属アダプタをそのまま使ってみましょう。比較もしやすいですしね。
音を出してみると、思っていたより小さい音だったのでボリュームを上げます。これはまあ「V1.0G」のボリュームノブに目印が付いていなかったと言う理由もありますね。どこまでノブを回したのかよく分からなかった、という(笑)。確かにこういうアンプは「音量調整付きパワーアンプ」ではあるので、仕方のないところでしょうかね。だからなのか、この「FX202A/FX-36A PRO」はボディ底面にゲイン調整のディップスイッチが付いています。
まずは標準ゲインのまましばらく聴いてみます。低域の迫力については若干は出たものの正直「それ程変わらないか」という感想でしたが、眼前に広がる音場感は上回っていると感じました。比較すれば「V1.0G」の方は少し平面的な音場で、「FX202A/FX-36A PRO」は特に前後感がよく出て立体的な音場が広がります。
周波数特性を計測してみましたが、確かにあまり変わりませんね。アンプのクラスもあるかもしれませんが、スピーカーの持ち味も大いに要素としてはあるんでしょう。迫力が欲しければ、スピーカーを何とかせよ!という事でこれは次回以降の課題といたしましょう。
何日か使っていくうちにエージングされてきたのか、粒立ちが良くなってボーカルの定位感も向上してきました。快活にして繊細感もありますし、悪い意味でのデジタル臭さが少なくなりました。こうなってくると、結構良いですね。ゲイン調整を触ってみることにしました。
20.8dBから32.8dBで4段階ありますが、まずは小さく20.8dBから。
「……」あまり変わりません。違うと言えば違うのかもしれませんが、よく分かりませんでした。
それでは、と一気に32.8dBにしてみました。
「おおっ」何だかボリュームが上がった感じが(笑)。これは違いますね。勢いもあって悪くはありませんが、少々大味な音になりました。繊細感が後退します。
その下の30.0dBではどうでしょう。
「いいね!」これはバランスが良い感じです。粒立ちが大変良いのです。音が飛び出してくるような元気もあって、懸案であった低域の迫力(感)も少し向上したのではないかと思わせてくれます。
これで固定してもいいかもしれませんが、せっかくなので残る26.8dBもやってみましょう。
「おやおや」うーむ、これはこれで良いですね。繊細感が出て雰囲気が良くなり、ボーカルにはこちらの方が良い感じです。迷いますね〜。
ロックには30.0dB、ジャズ/ボーカルには26.8dBという感じでしょうかね。好みで切り替えてもいいかもしれません。
色々楽しめて音も良い。買って良かったですね、FX-AUDIO「FX202A/FX-36A PRO」。これから電源系を替えてもよし、オペアンプ交換にチャレンジしてもよし、などとまだまだ楽しまさせてくれそうです。
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