音楽の聴き方がレコードやCDなどのフィジカルメディアから、ストリーミングやダウンロードの時代に変化してから大きく変わってしまったな、と感じるのは「ジャケット」の存在感ですね。今では「サムネイル」の役目しか果たしていないのでは?と感じたりします。
レコードファンとしては、やっぱりこれは寂しいものがありますね。なかなかこんな時代になると「ジャケ買い」という言葉もどんどん廃れてしまうのかもしれません。いや、そればかりではなく「ジャケット」「ジャケット写真」「ジャケ写」というワードも風前の灯なのでは…

そんなわけで今回は、言葉が無くなってしまわないうちにやりましょう「ジャケ買い」特集です。私が実際に「ジャケ買い」したもの、ジャケ買いしても損はしない(個人の感想ですが)アルバムを紹介しちゃいましょう。
まずはジャズに絞って行きますね。ジャズでジャケットと言えばブルーノート。これはもう、枚挙にいとまが無い程ですね。
ケニー・バレル「ミッドナイト・ブルー」

既に取り上げていますが、やっぱりこのテキストフォントだけで組み合わされたデザインは秀逸としか言いようがないですね。黒地に「ブルー」系の大小の文字群。シンプル。音を聴いてジャケットを見る。納得。
ホレス・パーラン「アス・スリー」

先日取り上げたばかりですが、これも写真を使わずに数字と文字だけで構成された「カッコいい」デザインですよね。白地に黒い数字という色は、ピアノの鍵盤も意味しているんでしょうか。私、毎年年賀状はジャズのジャケットを拝借して作るんですが、今年はこれにしました。どうでもいい話ですいません。
ジャッキー・マクリーン「スイング、スワング、スインギン」

後にフリー方面にも行くマクリーンではありますが、ここではこのジャケット通りのオーソドックスかつエネルギッシュな演奏を繰り広げてくれます。この鮮やかなようで少しくすんでいるような色合いが、何だか当時のジャズクラブを想起させます。
ユタ・ヒップ「ウィズ・ズート・シムズ」

ピアノの鍵盤?をあしらったんでしょうか。きれいな緑色を貴重にしたデザインは今だったら誰もやらないんじゃないでしょうか。でも絶大な説得力を持って迫るものを感じてしまうのは何故でしょう。客演のズート・シムズが「コートにすみれを」で感動のソロを聴かせてくれます。
ジミー・スミス「アット・ジ・オルガン」

この、この手をクロスさせて弾いているの、めっちゃカッコ良くないですか?これだけでグルーヴを感じてしまいます。私が持っているこのジャケはかなりボロボロですが、そのせいもあってかなりオリジナルに近い盤のはずですが安く買えました!むしろボロボロが「年月を重ねた」感があって味わい深いですね。ちなみに「vol.2」は写真はそのままで色をグリーン系を基調にしています。
ボビー・ハッチャーソン「ハプニングス」

とにかくピンク。そして女性の姿。全くボビーとは関係ないですが、彼の弾くクールなのに内に秘めた熱さを感じるヴィブラフォンと一致してくるような気がしてくるから不思議です。やはり作者ハービー・ハンコック自身も参加している「処女航海」が白眉です。
ハンク・モブレー「ディッピン」

少し茶色に近いオレンジ色。モブレーが吹くサックスの音色にも通じるものがあるような気がしてくるんですよね。タイトルのフォントも何とも言えず素敵です。名曲および名演な「リカード・ボサノバ」が当然有名ですが、冒頭一曲目の「ザ・ディップ」も「サイドワインダー」路線のジャズロックでオススメです。
…ブルーノートだけでお腹いっぱいになりそうなので、それ以外のジャズについてはまた改めて紹介させてくださいね。と言うか、ブルーノートもまだまだ素敵なの沢山ありますけどね。いや~、ジャケットは本当に楽しいですわ。
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