以前に「オーディオ試聴用ソース」として2回に渡って紹介しましたが、今回はそのアナログ編です。カートリッジを交換した時なども、まずは「このレコードをかけてみる」というものは決まってきますね。好きなアーティストの好きな曲、しかも音や音質も気に入っている、そんな愛聴盤です。まずはロック系を中心に、何枚か紹介していきましょう。アナログ編は曲というよりもアルバム単位の紹介にしますね。
Gaucho / スティーリー・ダン
何せA面1曲目の「Babyron Sisters 」からヤバいですね。ドラムのアタックが「バシッ!」「ズドン!」と来て驚かされます。ドラムのリアル感というのはデジタルよりアナログの方が高いと思っているのですが、この深い音はデジタルからはなかなか聴けません。次の「Hey Nineteen」も同様に良いですね。何と言ってもこの2曲は名曲でもありますしね〜。音良し曲良し演奏良し。アナログ録音の円熟期がここにあります。
Mingus / ジョニ・ミッチェル
A面の「God Must Be A Boogie Man」。ここで聴かれるギターカッティングが凄まじいのですよ。マイクにかなり近づけたんでしょうか。レベルオーバー気味なその激しいカッティングは、下手をするとスピーカーを飛ばしたりアンプが気絶したりする可能性があるので(ある試聴会で実際にアンプが気絶していました)大音量派の方は注意が必要かもしれません。ジャコ・パストリアスのベースも際立っています。ジョニのレコードは他にも「Blue」や「Court And Spark」もよく試聴に使いますね。
Jazz / ライ・クーダー
どの曲というよりA面を通して聴く、という感じですかね。インストが多いためかヒットした作品ではないですが、ライの弾くギターの音色をどっぷりと味わうにはうってつけの作品。私のオーディオ的には、ギターの音色ってすっごく重要なんですよね〜。色気のあるスライドギターがカサついて聴こえたりすると、「どこか変えねば!」と思ってしまいます。
Pirates / リッキー・リー・ジョーンズ
これはA面1曲目の「We Belong Together」を中心に聴きます。オーディオ的には静かなオープニングからの中盤、突如として激しいドラムのアタックから盛り上がっていきます。ここが聴きどころですね。やっぱりドラムはアナログだな〜などと感慨に浸りつつ。リッキーの作品は「POP POP」もよく聴きます。こちらはジャズ寄りで、チャーリー・ヘイデンなどベースの名手の腕が光ります。
Fragile / イエス
邦題「こわれもの」、超名盤ですね。やはりA面1曲目の「Roundabout」が中心になりますね〜。まずは冒頭のスティーヴ・ハウの爪弾くスパニッシュ的なギターが聴きもの。そこから曲は怒涛の展開を示していくのです。
Heartattack And Vine / トム・ウェイツ
トムも名盤が多くてオーディオ用途には他にもライヴ盤「娼婦たちの晩餐」も聴いたりしますが、やはりグレッグ・コーエンのベースの乾いた音が、トムの超絶しゃがれ声と絶妙にマッチするこのアルバムが良いですね〜。
Beggers Banquet / ローリング・ストーンズ
60年代のロックアルバムとしては、頭ひとつ抜けて音が良いと個人的には思っているんですが、どうでしょう?アコースティックとエレクトリックが程良く共存しているんですね。もちろん内容も素晴らしく、ストーンズのアルバムの中で一番好きですね。「悪魔を憐れむ歌」がグルーヴィーに聴こえてほしい!
Parsley, Sage, Rosemary and Thyme / サイモン&ガーファンクル
いわゆる「フォーク・ロック」なんですが、アナログの本国オリジナル盤で聴くと「ロック」に比重が掛かっている事がわかります。「スカボロー・フェア」でも昔は「良いけど大人しい曲だな〜」と思っていましたが、このオリジを聴いてからは印象が一変。ベースがしっかり土台を作っていて結構骨太なんです。
アナログの方が例えばA面を通して聴くことが多くなるので、いっそう音楽的にも好きなものを選ぶことになりますね。だからオーディオチェックよりもあらためて好きなアルバムを聴き込む、という感覚に近いかもしれません。もちろん、細かい部分が変わった変わった、と一喜一憂しながら聴くことは間違いないんですけどね(笑)。
次回はジャズ編という形でご紹介していきたいと思います。
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