かつての電線病患者は語る。

AUDIO
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オーディオで最初に罹るのは、電線病かもしれませんね。

機器を交換するより金額も手間も掛かりませんし、「オーディオをちょっとグレードアップさせて楽しむ」にはうってつけのアイテムと言えるでしょう。

かく言う私も、アイワ製ミニコンポ付属のスピーカーケーブルを交換したのが最初のグレードアップですね。確かオーディオテクニカでした、と言うか今も昔も身近に手に入るブランドってこれですよね。ワンタッチ式の端子が少し太めのケーブルになると面倒で、芯線がはみ出てしまうんですよ。イライラしましたね(笑)。

とにかく、そうした行為で音は確実に変わる。これだけで面白くなってくるのがオーディオの醍醐味だったりします。そうしてミニコンから単体のアンプやカセットデッキに替えていくわけですが、ケーブルを交換できる箇所が増えていくのも楽しいったらありゃしないのです。

セパレートアンプにしたり、CDプレーヤーにDACを接続したり、フォノイコを接続したり、もはやケーブルのためにセパレート化しているのではないか? 電線病というのは気がついたら罹っているのです。気をつけねばなりませんね。いや〜、一体どのくらいのケーブルに手を出したのか、自分のホームページである程度は数えられるかもしれませんが、想像するだに恐ろしい(笑)。

そういった中で、ある程度ノウハウは付いてきます。この箇所にはどういったキャラクターのケーブルを使えば最適(自分が目指す音について)なのか、といったような事はだいたい分かってくるんですね。これは趣味の達成感としては大きいと思います。

そんなにたくさんのケーブルメーカーを試したわけでもないですが、自分の中では「カルダス、オーディオクエスト、ワイヤーワールド」の御三家が好みに合う音を出してくれたと思っています。当時は定番のメーカーでしたが、やはり流石と思わされるものがありましたね。どれも空間表現が巧みで、特に前後の立体感に関しては当時素材競争のみに明け暮れていた国産ブランドのケーブルでは追随を許さないものがありました。この3ブランドに次いで好んで使っていたのが、ちょっとマイナーですが「ブラックロジウム」ですね。

さてその中でも今回はカルダス。これまでも環境に合わせて色々使ってきましたが、「今のところ最後の贅沢」として2017年初頭に購入したスピーカーケーブルを紹介しようと思います。

「Clear Sky」というモデルです。

鮮やかめなブルーの被覆が特徴の「クリア」シリーズ。
小型スピーカーには、このくらいの太さまでが見た目的にもちょうど良いかと。
ちなみに現在「Clear Sky」は「Clear Sky X4」として継続しています。

【納期目安:1ヶ月ほど】CARDAS カルダス Clear Sky X4(クリア・スカイ X4)スピーカーケーブル Spade 1.5mペア

ラインナップを一新した後のモデルで、「クリア」シリーズの中では一番リーズナブルなタイプです。スピーカーケーブルだけはカルダスを使った事が無かったので、やっぱり試してみたくなっちゃうんですよね〜。当時使っていたのはオーディオクエスト「Pikes Peak」というかなり太いケーブルでしたが、実家で鳴らしていた大きいバックロードホーンならともかく、マンションでブックシェルフのスピーカーとは見た目的にもアンバランスでした。まあ、音に関してはケーブル自体が太いからといってオーディオクエストの場合「いかにも低音モリモリ」というキャラクターでは無いので、特に不満は無かったのですが。やっぱり単純に興味ですよね。これを導入したら、どうなるかな?という。

このカルダスなら太さもちょうど良いし(それでも少し太めですが)、中古価格もそれほど高くはなかったので、後でクエストの方は売れば良いかとも思って購入を決めたのです。

これまでカルダスには苦労をかけられました。エージング(バーンイン)にとにかく時間が掛かるのです。繋いだ瞬間は大抵落胆させられます。「しまった、ミスったか」とその時は思うんですが、1週間、2週間と我慢して聴いているうちに、どこかで「来る」んですね。ガラリと音が変化して、本来の持ち味がようやく出てくるんです。中古であってもそれは変わらない(新品を買った経験もないですけど)ので、芯線自体のエージングではないんでしょうね。苦労は喜びに昇華されるわけです。

この「クリアスカイ」はどうか。接続すると、若干鈍さを感じたものの悪くはありません。これまでよりも初試聴の印象は良いと言ってもいいですね。名前の通り、以前のカルダスよりもクリアさが増しているでしょうか。もちろんカルダスらしい厚みは保っていますが、濃厚さと透明感のバランスが変化してきたかな、という感じです。

エージングをしつつ経過観察をして10日〜2週間ほど経ち、やはりカルダスらしい空間表現がビシッと出てきました。焦点が定まってきたと言いましょうか。印象が異なるのはやはり濃厚な音場と新しく加わった透明感との共存。ネルドリップからペーパードリップにしたかのような変化と言えば良いでしょうか。ただ、これまでのように「ガラリ」と音が変化することはなく、順調に変化してきたという普通のエージングだったかなとも感じました。

スピーカーにぶら下がる「クリアスカイ」。

この新世代カルダスは、透明感が増した事でオールマイティな魅力を得たと思います。非常にバランスが良いという印象を持ちました。旧世代で言うと「ニュートラルリファレンス」に近いでしょうか。上級機を聴いたわけではないので何とも言えませんが、「ゴールデンクロス」よりも「ゴールデンリファレンス」方向でさらに透明感をプラスしているのかな、とも想像しました。カルダスと言えば「クロス系」、つまり艶と色気と濃厚さが好みの方々も多いので、そうするとなかなか厳しくなってきたのかなと一抹の寂しさを覚えたりもしました。カルダスを敢えて選ぶ理由が少なくなりますもんね。ただ、立体的な空間表現に関しては一日の長があると思うので、やはりまだまだカルダス健在!と思います。

現在はあまり高額なケーブルには手を出してはいませんが、また機会があれば試してみたいとも思ってはいます。

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