前回の続きですが、フォステクスでバスレフ型ブックシェルフ2ウェイスピーカーの製作です(ただし数年前)。
クロスオーバーネットワークが2ウェイではほぼ必須となりますが、前にも述べたようにウーファーの「FW168HP」はコイルを必要としない程の自然な高域減衰が持ち味なのです。これは楽ですよ(笑)。
とは言え、いざとなると迷いました。「やっぱりコイルしっかり入れたほうが良いんじゃないかなあ」などと。ただ当時いろいろな製作レビューを見ても、コイル無しの方が良さそうだと判断し、ウーファーはスルーに決めました。
さてトゥイーターの低域カットをどうするか。このトゥイーターもワイドレンジなので、実際はかなり低い方まで引っ張ることも可能です。考えてみると勿体無い組み合わせかも…と思いつつ、どこでクロスオーバーさせるか少々悩みました。
結果、6kHzという高めの周波数に決定しました。こうする事で、トゥイーターの負担が減って高域の良さも出しやすいのではないかという仮定もあります。かなりの範囲、中高域と呼ばれる部分までをウーファーに任せる事になりますね。もっとも、減衰は6dB/octなので結構被りが多くなりそうですね。そこは可変式のアッテネーターで調整すれば良いかなと考えました。
そんなわけで、クロスオーバー関連はコンデンサと可変アッテネーターを1組ずつという、何ともシンプルな構成になりました。去年製作した2ウェイと比較すると、鬼のように楽ですね。時系列が何だかおかしくなってきましたが。
設計図をもとにハンズでカットを依頼しつつ、コンデンサとアッテネーターを注文します。コンデンサはちょっとだけ贅沢してJantzenAudio「Superior Z-Cap」を選びました。まあ、コイルが必要無いのでこちらに集中させられますね。アッテネーターはフォステクス純正のものより少しお安い「L-PAD」にしました。別のものを使ってみたかった、という面もありますね。数値としては、ウーファーもトゥイーターも能率は90dBなので一見アッテネーターの必要は無いように思えますが、経験上は必要だという判断です。
カットした板を受け取って、早速…のはずが色々忙しくて次の週から制作に入りました。ゆっくり作ってもブックシェルフですからそれ程場所を取らないですしね。と言うか、当時は現在ほど散らかっていなかったので制作途上のものを置いておいても問題が無かったわけなんですけどね(笑)。
その昔、比較的大きなバックロードホーンを作った時に比べると本当に楽〜に作業は進みます。と言っても平日に帰宅して少しの時間とか、わずかな時間を利用しての作業だったので制作期間としては10日ほど掛かったでしょうか。2ウェイですがネットワークも前述したようにコンデンサ一個のみなので、ここに特に時間を割くわけでもありません。強いて言えばアッテネーターがあるくらいでしょうかね。
どうしても天然素材である木材を使ったベニヤ板(今回も「シナ合板」を使っています)は、どうしても若干の反りはあります。近所の方々、階下の住人への迷惑も考慮して釘を使わない主義ですので、接着剤のみで作ろうとすると貼り付けた板と板の間に隙間が出る事が多いです。それを「ハタガネ」で締め付けるという手はもう過去何回か話しましたっけね。
一通り箱が出来上がると塗装ですね。この時はまだ変化球を使うことを覚えていなかったので、オーソドックスに木目を生かす半透明タイプの茶系塗料で「ライトオーク」色にしました。明るめの色で、まあ市販品にもありがちな感じですね。それでも、スポンジ刷毛を使っての作業はムラになりづらく、満足いく仕上がりになったと思います。質感としてはニスのようにヌメっとした感じではなく、少しあっさりしていますかね。
ユニットの取り付けは少し緊張しました。ウーファーとトゥイーターをかなりギリギリまで近接させるレイアウトに設計しましたから。まあ、いざとなれば取付穴には余裕があるからそれほど問題は無いんですけどね。かくして、その不安は杞憂に終わることになり、わずか数ミリの隙間だけで両ユニットを取り付ける事ができました。見た目的にも手前味噌ながら完璧に近いものになったと確信(笑)できたものです。
そういうわけで、名前は付けていませんがフォステクス2ウェイバスレフ型ブックシェルフ、完成!でございます。
次回、試聴記となります。
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