ハレー彗星が地球に最接近して、ファミコンソフト「ドラゴンクエスト」が発売された1986年。「新人類」という当時の若者を表す言葉が流行しました。そんな新人類も今や…
まあ、それはともかく、全米年間チャートを見てみましょう。(Billboardより)
- That’s What Friends Are For / Dionne Warwick & Freinds
- Say You, Say Me / Lionel Richie
- I Miss You / Klymaxx
- On My Own / Pattie LaBelle, Michael McDonald
- Broken Wings / Mr. Mister
- How Will I Know / Whitney Houston
- Party All The Time / Eddie Murphy
- Burning Heart / Survivor
- Kyrie / Mr. Mister
- Addicted to Love / Robert Palmer
このチャートを見て、「おや?」と思いました。上位はR&B系のバラードが占めてますね。80年代も後半に向かって「潮目が変わった」と感じざるを得ないですね。まあ、どの曲もヒットして当然、という曲ではあります。
1位に輝いたディオンヌ・ワーウィック「愛のハーモニー」。「フレンズ」とはエルトン・ジョン、グラディス・ナイト、スティーヴィー・ワンダーと超豪華なラインナップです。
2位のライオネル・リッチー、これは大ヒットしていましたね~。リッチーと言えばこの曲が思い出されます。
3位のクライマックスはガールズR&Bバンド。この曲は最高位5位ですが、ロングヒットになっていたので年間では3位になりました。
4位はヒットの定番形態と言えるデュエットですね。ソウル・グループ「ラベル」のパティ・ラベルとスモーキー・ボイスが魅力のAOR界の巨匠マイケル・マクドナルド、確かに盤石です。
5位と9位に来ましたね、Mr. ミスター。両曲とも全米1位になり、新たなスターになるか?と思われましたが、その後が残念ながら続きませんでした。音作りは80年代的ながら、ヴォーカル上手いな~という印象があります。
6位に大スター、ホイットニー・ヒューストンが来ました。邦題は「恋は手さぐり」でした。この後ヒットを連発することになりますね。
7位は当時大人気の俳優エディー・マーフィーが出した曲。俳優としては早口で捲し立てるのが売りでしたが、曲は至って普通のポップス。もう少し後の時代ならラップをしていたんでしょうか。
8位は映画「ロッキー4」の主題歌。「3」に引き続いてサバイバーが担当してこちらも大ヒットしました。
10位はロバート・パーマーの大ヒット「恋におぼれて」。プロジェクト「パワー・ステーション」のヒットから、ロバートが注目されての満を持してリリース。いい声のダンディ、というキャラを確立しましたね。
11位以下にも目を向けてみると、15位にペット・ショップ・ボーイズ「ウェスト・エンド・ガールズ」、19位にプリンス「Kiss」、20位にスティーヴ・ウィンウッド「ハイヤー・ラヴ」、23位にピーター・ガブリエル「スレッジハンマー」、27位にベルリン「愛は吐息のように」、30位にボン・ジョビ「禁じられた愛」と、80年代を彩るロックの名曲が並んでいます。ただ全体的にR&B系がこれまでより目立つチャートになっていますね。
続けてUKの方も見てみましょう。
- Don’t Leave Me This Way / The Communards
- Every Loser Wins / Nick Berry
- I Want to Wake Up with You / Boris Gardiner
- Living Doll / Cliff Richard & The Young Ones
- Chain Reaction / Diana Ross
- The Lady in Red / Chris de Burgh
- Papa Don’t Preach / Madonna
- The Chicken Song / Spitting Image
- Spirit in the Sky / Doctor & The Medics
- West End Girls / Pet Shop Boys
1位のコミュナーズは日本ではあまりヒットしませんでしたが、まさに80年代テイスト満載のシンセ・ポップ・デュオですね。ジミー・ソマーヴィルのハイトーン・ヴォイスが魅力的です。
2位のニック・ベリー、知りませんでした。俳優で当時のヒットドラマで大人気アイドルとなり、出したこの歌が全英No. 1になったそうです。
3位もわかりませんでした。名前はなんとなく聞いたことがありましたが、ジャマイカ出身のレゲエ・シンガーなんですね。
4位は大ベテラン、クリフ・リチャードが登場です。59年に大ヒットした曲のセルフカバーという形ですが、コメディグループの「ヤング・ワンズ」がクリフにアプローチして実現したヴァージョンだそうです。
5位はダイアナ・ロスのヒット曲ですね。ビージーズによる曲で、バリー・ギブがコーラスで参加していました。
6位のクリス・デ・バー。渋く甘い声とケレン味たっぷりの歌い方でヒットしましたね。日本人好みな気もします。ただベタ過ぎるのか、本国で「最も歌いたくないラブソング」に選ばれてしまったりもしています。
7位にはマドンナ。もうヒット常連になっていますね。
8位も知りませんでしたが、イギリスの人形劇TVドラマの劇中歌だったそうです。
9位、いましたね~、「ドクター&ザ・メディックス」!奇抜な格好が思い起こされます。
そして10位にペット・ショップ・ボーイズの「ウェスト・エンド・ガールズ」。彼らの登場は何か、衝撃的でした。それまでのシンセポップとはひと味違うものを感じたのです。

結構バラエティに富んだチャートですが、個人的にはやっぱりペット・ショップ・ボーイズの登場ですかね。デジタルらしいサウンドが洗練され、まさに「モノにした」感があります。
この年にリリースされたアルバムはと言うと…
- ポール・サイモン「グレイスランド」
- ピーター・ガブリエル「So」
- スティーヴ・ウィンウッド「バック・イン・ザ・ハイライフ」
- ブルース・スプリングスティーン「Live / 1975-1985」
- ヴァン・ヘイレン「5150」
- ビースティ・ボーイズ「ライセンス・トゥ・イル」
- ボン・ジョヴィ「ワイルド・イン・ザ・ストリーツ」
- クイーン「カインド・オブ・マジック」
- XTC「スカイラーキング」
- ザ・スミス「クイーン・イズ・デッド」


個人的にも好きで今でも聴くアルバムが多くリリースされた年でもありました。スプリングスティーンのライヴ盤はレコード5枚組で高校生だった私は決死の思いで買ったっけ…
この1986年という年は、80年代らしいサウンドがどんどん洗練されていったと共に、R&B(当時ブラコンとも言われましたね)系のヒット比率が多くなったことがわかります。個人的にはシングルからアルバムの方に興味が移っていたのも、こうしてみるとなるほど納得が行ったような、そんなチャートでした。




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