最近は邦画がアニメを含めて人気が高くなっていて、相対的に洋画が弱くなっているような印象がありますね。確かに親しみやすくて派手な洋画の話題作も少なくなった気がします。まあ、洋楽にも同じことが言えるかもしれませんね。
とにかく、80年代というのは洋画の「サウンドトラック」からのヒット曲が頻発した時代でもありました。映画だけでなく、TVドラマからのヒットもありましたね。主題歌だけではなく挿入歌まで売れたりしたので、つまり一枚のアルバムから複数のヒットが生まれていましたから、サウンドトラック、通称「サントラ」はヒット曲のオムニバスとしての役割すら担っていたのかもしれません。これまでの紹介と被る部分もあるかもしれませんが、今回はこれらをご紹介したいと思います。
「フラッシュダンス」
主題歌のアイリーン・キャラが歌う「What A Feeling」が全米No.1の大ヒット、日本のドラマでもカバー曲がヒットしました。また、挿入歌のマイケル・センベロ「Maniac」もNo.1ヒットとなりました。
「ザナドゥ」
オリビア・ニュートン・ジョンが大活躍。「Majic」、「Xanadu(エレクトリック・ライト・オーケストラ名義)」とNo.1ヒットを連発しました。
「愛と青春の旅立ち」
リチャード・ギア主演、主題歌はジョー・コッカーとジェニファー・ウォーンズのデュエットで大ヒットしました。
「フットルース」
まさにヒットの玉手箱。このアルバムから「サントラ・ブーム」が始まったとも言えますね。ケニー・ロギンスが歌う主題歌「Footloose」(全米No.1)、デニース・ウィリアムス「Let’s Hear It for the Boy」(全米No.1)、ボニー・タイラー「Holding Out for a Hero(ヒーロー)」、マイク・レノ&アン・ウィルソン「Almost Paradise」(全米7位)、ムービング・ピクチャーズ「Never」などがヒット。
「ロッキーIII」「同Ⅳ」
「III」の主題歌、印象的なリフが堪らないサバイバーの「Eye of the Tigar」(全米No.1)があまりにも有名ですね。「Ⅳ」でも同じサバイバーの「Burning Heart」(全米2位)がヒット、また御大ジェームス・ブラウンの「Living In America」(全米4位)もヒットしましたね。
「オーバー・ザ・トップ」
「ロッキー」でお馴染み、シルベスタ・スタローン主演作。サミー・ヘイガーによる主題歌「Winner Take it All」(エディ・ヴァン・ヘイレンがベースを弾いています)、ケニー・ロギンス「Meet Me Half Way(心の夜明け)」がヒット、他にもロビン・ザンダー(チープ・トリック)、エイジアと豪華メンバーです。
「バック・トゥー・ザ・フューチャー」
個人的にも大好きな映画。映画の全てが詰まっていると言っても過言ではないと思っています。何といっても、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースによる主題歌「Power of Love」(全米No.1)が大ヒットしましたね。
「トップ・ガン」
最近続編も制作された、トム・クルーズ主演の出世作。サントラもこれまた豪華絢爛。サントラ職人?ケニー・ロギンス「Danger Zone」(全米2位)、ベルリン「Take My Breathe Away」(全米No.1)という2大ヒットを産み出しました。他にもチープ・トリック、マイアミ・サウンド・マシーン、ラヴァーボーイが参加しています。
「カクテル」
こちらもトム・クルーズ主演作。ビーチ・ボーイズ「Cocomo」、ボビー・マクファーリン「Don’t Worry, Be Happy」と2曲の全米No.1ヒットや、ジョージア・サテライツ「Hippy Hippy Shake」(全米45位)も収録されていますね。
「セント・エルモス・ファイヤー」
全米No.1ヒットとなったジョン・パーによる主題歌「St.Elmo’s Fire (Man In Motion)」が印象に残っていますね。デビッド・フォスターによる愛のテーマもインストながら15位まで上昇しています。
「グーニーズ」
シンディ・ローパーが歌う主題歌「The Goonies ‘R’ Good Enough」(全米10位)が有名ですが、バングルズ、REOスピードワゴン、ルーサー・ヴァンドロス、フィリップ・ベイリーも参加しています。
「ベスト・キッド2」
主題歌「Glory of Love」が全米No.1の大ヒットとなりましたね。歌ったシカゴのピーター・セテラが「これならソロでも行ける?」と思ったのかどうかは分かりませんが、脱退のきっかけとなった事は間違いないでしょう。そのままシカゴに在籍していた方が…というのは結果論でしょうね。
「ダーティー・ダンシング」
ビル・メドレー&ジェニファー・ウォーンズによる主題歌「(I’ve Had) The Time of My Life」が全米No.1ヒット、他にもエリック・カルメン(先頃、惜しくもお亡くなりになられましたね。合掌)の「Hungry Eyes」が全米4位のヒット、また主演のパトリック・スウェイジが歌う「She’s Like The Wind」も3位、と映画の人気が伺える内容となっています。
「ビバリーヒルズ・コップ」
当時人気絶頂のエディー・マーフィーの大ヒット映画。イーグルスのグレン・フライ「Heat In On」が全米2位、そしてハロルド・フォルターメイヤーによるテーマ曲「Axel. F」がインストながら3位を記録しました。
「ビバリーヒルズ・コップ2」
上記の続編ですね。こちらはボブ・シーガーの「Shakedown」が全米No.1、ジョージ・マイケル「I Want Your Sex」が2位、ジェッツの「Cross My Broken Heart」が10位を記録しています。
「ゴーストバスターズ」
今なお続編やリメイクが制作される大ヒットシリーズですね。お馴染みの80’sソング、レイ・パーカーJr.が歌うテーマ曲が全米No.1のヒット。当時はこの人が実力派フュージョン系ギタリストとは知らなかったですねえ…ギャップがあり過ぎでしょう。サントラには他にもトンプソン・ツインズ、エア・サプライ、ローラ・ブラニガンなど収録されています。
「ネヴァーエンディング・ストーリー」
カジャグーグーを脱退したリマールが歌う主題歌がヒット(全米17位、英国4位)しましたね。日本でも馴染み深い曲で、カバーも何回かされています。
「マイアミ・バイス」
アメリカで大ヒットした刑事ドラマ。ヤン・ハマーによるテーマ曲がインストながら全米No.1ヒットを記録しました。確かに「あの」メロディは印象的ですね。また、グレン・フライの「You Belong to the City」も2位に到達しました。ちなみにサントラとは直接関係ありませんが、主演のドン・ジョンソン人気が高まったお陰で、その後歌も歌ってヒットしたりもしました。
「ファミリー・タイズ」
マイケル・J・フォックス主演のTVドラマ。愛のテーマとしてビリー・ヴェラ&ザ・ビーターズ「At This Moment」が全米No.1ヒットを記録しました。
こうして見ると、サバイバー、ケニー・ロギンス、グレン・フライ、ジェニファー・ウォーンズといったアーティストの名前が目立ちますね。「サントラ職人」とかいう言い方はあまり良くないかもしれませんが、そう呼びたくなってしまいます。ヒット請負人みたいな印象もありますしね。ジェニファーに関しては「デュエット職人」でしょうか。でも彼女のソロ作も良いですよ。「レナード・コーエンを歌う」や、オーディオマニアには「The Hunter」が名高いですしね。
まだまだ、「これを忘れているよ」というサントラもあるでしょうね。自分も思い出したらまた加筆しようかとも思っています。いや~、これだけでも凄いボリュームでしたけれども。
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