オーディオ界隈も、それほど景気が良いわけでもありませんので、ポンポン高価なアンプやスピーカーが売れるわけもありません。しかもこの円安なりスタグフレーションの中、機器も値上がりが激しいですし、以前ほどケーブルやインシュレーターのような周辺機器も新しいものが出なくなって活発さが失われてきました。
ここ最近目立つのは「仮想アース」ですね。洗濯機などの電源コードにはアース線が付属していて、設置場所のコンセントにはアース線を接続する端子もあったりしますね。あれは感電防止対策ですが、オーディオの場合はどうなのか。シャーシ電位を下げるのがメインになりますね。それにしても、百万円以上する仮想アース機器もあったりするんですね。流石に驚きますが、そこまで注目されている分野でもある証左なのでしょう。
さて私はと言えば、実は以前より導入していたのでした。アコースティック・リバイブの「RE-9」という古い機器で「スーパーアースリンク」と名前が付いています。中古で入手したのがもう10数年前ですから、もう20年近く前の商品という事ですね。思えば、これがこの種の「走り」だったのかもしれません。
こういった「仮想アース」は電源を必要とするものと、しないものがあります。後者の方が手軽に導入できますね。自作する方もいらっしゃいます。小さいものなら瓶容器に金属たわしを投入するというものから、一斗缶みたいな大きなブリキ缶に銅箔と木炭などで作ったりする例もありますね。私もいずれは小さなものから作ってみようかと思っています。市販品なら「空き端子に挿すだけ」というペンシル型のものが簡単で良さそうです。
前者は「アクティヴアース」とも呼ばれて、最近ではかなり高価なものになっていますね。まあ、突き詰めれば突き詰めるだけコストは上がるでしょうから仕方がないとは言え、もう少しシンプルなものがあっても良いような気もします。
その点、私が使用している「RE-9」は大変シンプルな構造のアクティヴアースで、標準価格も時代が違うとは言えそれほど高額でもなかったと思います。ただ、扱いがかなりシビアで使い方を誤ると大変な事になるような話もあったので、人気にも関わらずディスコンになってしまったようです。ちなみに私はこれを実家と現住居で10数年使用していますが、ノートラブルです。
肝心のこの機器に関する使用感、ですがこれだけ長期間使用していることからもお分かりかもしれませんが「これ無しではいられません」という状態です。誇張抜きにしてそうなんです。「今日は何か音が締まらない、と言うかつまらないな…」と感じたら、「RE-9」の電源を入れるのを忘れていた、なんてことはよくあります。逆に「これが無い状態だって、悪い音が出るはずも無いのになぁ…」と少々残念な気持ちにさせられる程です。じゃあ元の音はなんなんだ、という話ですからね。
とにかく、この一台でフィルターを何枚も剥がしたような音像が現れてくれます。これでは手放せるわけもありません。壊れないことを祈るばかりなのです。
流行りの「仮想アース」、私自身は古い機器であるこれしか使っていませんがその効果は絶大でした。もちろん電源環境は人によって全く違うので効果に差は当然あるとは思いますが、まずはローコストに自作でも何でも試してみる価値は大いにあるのでは?、というのが個人的な見解です。
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