以前、スピーカーケーブルをカルダスからカナレ「4S8」にグレード「ダウン」して、その音が結構気に入ってしまったので実は結局そのまま使っています。パンチ力があるところが好きなんですよ。
ただ、これも前回書きましたが中高域がもう少し伸びやかになってくれれば…というところは時間を経ても変わらず、課題ではありました。少し「ザラっとした」感触があるんですよ。まあ、これが逆にパンチ力につながってもいるのかもしれないとも思いつつだったんですよね。
それで、思ったのが「4S8G」にしたら解決するのではないか、という事です。
末尾に「G」が付くのは銅線が無酸素銅(OFC)になる以外は通常の「4S8」と変わりません。一般的に銅線のクオリティが上がると特に高域に違いが表れる傾向が強いです。つまり、線材がOFCになることで中高域のザラつきをある程度抑えられるのではないか、と仮説を立てたわけです。
少しだけ懸念があるとしたら、せっかくのパンチ力が弱くなってしまわないか?という事でした。レンジを敢えて伸ばさないことで中低域の迫力を出す、というのはナチュラルにコンプレッサーを掛けるようなもの、と認識しているからです。まあ、個人的な見解ではありますけど。
それでも思い立ったら吉日、それほど高額なものではないので実験してみれば良いではないか、と試すことにしました。「プチ」グレードアップ、というわけですね。
届いたケーブルは被覆に「4S8G」と記載がある以外は「4S8」と見た目も全く変わりません。銅線の色も区別できませんね。つまり「G」が違うくらいでしょうか。

今回はまだそれ程暑くない(5月上旬)ので、そんなに汗もかかないでしょう、さっさと接続作業に取り掛かります。パワーアンプが小さく、奥行きも短い(Jeff Rowland model 102)のはこういう時いいですね。後ろに回らなくても前にずらして作業ができます。
さあ楽しみでもあり緊張感もありの音出しです。いつものようにまずはドナルド・フェイゲン「H Gang」、行ってみましょう。

うん、なるほど、乾いたスネアドラムの抜けが良いのをまず感じました。そしてカッティングギターの粒だちが印象に残りますね。思っていたより「G」が付くだけで違いがあるように思います。
元々「4S8」で気になっていたシンバルの音を比べてみたいのでアコースティックなジャズ系を聴いてみます。ECMレーベルのトルド・グスタフセン・トリオ「Tunnel」、大野雄二トリオ(大野さんのご冥福をお祈りいたします)「ルパン三世のテーマ」を聴いてみました。
おお!シンバルがうるさくない!上品になり過ぎない程度に、よく伸びて余韻を感じさせてくれる鳴り方に変化してくれました。これは大きいぞ。「澄んできた」という言い方が合っているかもしれません。
では中低域のパンチ力はどうか。そんな時はホワイト・ストライプス「Seven Nation Army」がいいですね。
アタック音のパンチ力、0.5ポイント(いきなりポイント出てきた)ほど減退したかもしれません。うーむ…と考えた末、バーンイン・トーンをかけっぱなしにして部屋をしばらく出ました。
そして戻ってもう一度聴いてみると、おお!パンチ力が0.3ポイントほど戻っているではありませんか。そうしてまた聴いているうちに「4S8」の時と変わらないパンチ力が抜けの良さも伴って蘇りました。
全体的にも音数が増え、それによって従来のストレートさに加えて華やかさも身に纏ったような、そんな印象を強く持ちました。贅沢を言えば、もう少し「うるおい」みたいな要素も欲しいところですが、これはやっぱり高額なケーブルあるいは機器自体のグレードの領域なのでしょうね。目論見は当たったということで、「プチ」グレードアップは見事に成功したと言えるでしょう。





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