今年も買いました、「stereo」8月号。つまりは「工作号」というわけで、特集名はズバリ「オーディオクラフト2026」と銘打たれております。もう最後に自作スピーカーを制作してから数年経っておりますが、自作スピーカーしか鳴らしていない身としては、やっぱり気になりますね。
表紙が今回は普通のスピーカーであることはちょっと気になりました。PAでお馴染み「TOA」のパワードモニターです。
さっそく特集を見てみましょう。筆頭はやっぱり「工作人間大集合」ですね。スピーカーだけでもバックロード、ハイエンド系、ダブルバスレフ、フロントホーン、共鳴管などバリエーション豊かです。スピーカー以外にもアンプ、ケーブル、仮想アースといった充実した内容でした。いや~、刺激になりますね。実は来年名古屋駅前の「ハンズ」が撤退するというニュースを聞き、その前にスピーカーを作ろうかな…などとちょっぴり考えてはいるのです。作る気のない時はそこまで興味が惹かれなくても、こういう気分の時はついつい写真など見つつ読んじゃいますね。我ながら現金なものですわ。

次は「ゼロから始める真空管アンプ工作」ということで、工作経験の無い編集者さんが頑張って作るという製作記です。設計は評論家の岩井喬さんが行い、岩井さんの文章と編集者さんの文章が上段下段に並行して進行するという形で描写されています。スピーカーは作りますがアンプの回路などはさっぱり???な私ではありますが、この設計者と製作者という、二つの視点から語られる製作記は楽しむことができました。

次にフォステクスからリリースされた新しいツイーター「FT36TD」を使った、2人による競作です。こういったユニット縛りの競作、以前だったら5~6人でやっていましたよね。寂しくなってしまいましたが、これも時代でしょう。石田善之さんによるウーファー「FW168HR」との言わば「鉄板」的な組み合わせとなるブックシェルフはクロスオーバーも極めてオーソドックス、間違いの無い音が聞こえてきそうです。ウーファーとツイーターを分離させているところも位置の調整などメリットが多いですよね。そして佐藤勇治さんはトールボーイ型でウーファーにはフルレンジの「FF165WK」を採用しました。開口部につれて面積が狭くなる「スラント・スリットダクト(SSD)」と言う少し変化球的なバスレフ式というのも面白いですね。スリットダクト好きとしては見逃せません(笑)。試聴会のレポートでも、好印象だったようです。ツイーターが高価なぶん、ウーファーの価格を抑える、という点も自作派にとっては頷けますね。

「マークオーディオ in バックロードホーン」というのは、ここのユニットが好きな私としては見逃せません。新しいユニットをバックロードで試してみる、というものですね。20cmのユニットをマークオーディオがリリースする、というのもトピックです。20cmと10cmの新製品、両方とも「マイカ」を混紡したペーパーコーンであることも興味を惹かれます。マークオーディオというと、金属コーンのイメージが強いですからね。より軽量化することでバックロードにも向いているのではないか?という仮説も成り立ちます。レポートの結果としては、かなり低音が出ているようです。これはまあ、ある程度想定内な気はしました。元々ハイ上がりのユニットをバックロードで低域を持ち上げるのがセオリーではありますから、結構低音は出るマークオーディオのユニットだと少々低域過多になるのでは?と思ったりしました。ただ、本文にもある通り、開口部調整や吸音材などで何とかなりそうな感じはしますね。ここでは既存のエンクロージャーを使っていたので、設計から見直せば可能性は大きく広がるだろうな、と感じました。そう言えば6cmのタイプは2022年の「stereo」別冊ムックとして販売されていましたね。

他にも「15インチスピーカーの製作」「TVスピーカー改造計画」など面白い記事が続きますが、最後に「方舟の現在とこれから」と題された、かなりシビアとも言える記事があります。確かに40年経つ建築物なんですね…そう思うと、なかなか今後が心配なものがあります。時の流れは残酷だなあ、とも感慨深く読みました。
特集とは別ですが、ジャズ・ジャイアンツの一人、ソニー・ロリンズが5月に逝去されました。それを偲んで4ページ割かれていたのは印象的でした。「よく知られている」50〜60年代とは別の、長いキャリアを誇ったロリンズのさまざまな時代を聴き込むことで、その偉大さを思い知らされる、という内容は興味深く読むことができましたね。聴いてみなきゃ。私もロリンズをそこまで深く聴いていなかったですからね。
いや〜、定例の記事も楽しく読めて、ボリュームたっぷりの「stereo」26年8月号でした。



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