80年代洋楽を思い出す(7)〜「メタルの大衆化」

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今回は、前回とは打って変わって派手な路線のお話をいたしますね(笑)。

70年代後半から一つのジャンルとしてファンも定着していたヘヴィメタルですが、80年代には徐々にポップス化と言いますか、一般音楽ファンにも受け入れられるような音作りのバンドが増えてきます。歌メロやわかりやすいフレーズが、ヒットチャートの上位に上がる要因になりますね。そうすると、当時の日本ではアメリカあるいはイギリスのヒットチャートというのはラジオでも雑誌でも紹介される大きな情報源なので、曲を知るチャンスが増えることにもなります。ヘヴィメタルの超メジャーどころでは「アイアン・メイデン」や「ジューダス・プリースト」など大物バンドが当時もメタルファンには人気がありましたが、チャートでは上位に入ることがあまり無かったため、一般の人が耳に触れる機会は決して多くなかったのです。

そこに風穴を開けたのが、前にも紹介したヴァン・ヘイレン「ジャンプ」だと思います。シンセを大胆に導入したこの曲は日本でも大いにヒットして、現在でも洋楽定番曲の一つになっていますね。バンド自体も一般のファンが多く付きました。

この流れが止まるはずもなく、デフ・レパードホワイトスネイクなどのバンドも分かりやすいシングル曲によってヒットを飛ばしていきました。そして決定打となるバンドが登場します。

それがボン・ジョヴィです。デビュー時はルックスの良さから、日本では特にアイドルバンド的な紹介のされ方になりました。それが契機となったのか、80年代後半には「分かりやすいライトな曲やバラードを歌うメタルバンド」が続々と登場しました。「ヘヴィメタルの大衆化」とも言いましょうか。

そんなバンドたちを、紹介していきたいと思います。

ボン・ジョヴィ

前述したようにアイドル的なデビューをした彼らですが、サードアルバムで特大ヒットを記録。押しも押されぬ重鎮ハードロックバンドに成長していきました。そして現在も現役、当然実力が無ければ出来ることではありません。「ロックの殿堂」入りも当然でしょう。ジョンも相変わらず若々しいですね〜。唯一無二とも言える独特の節回しが、否応なしに盛り上がらせてくれますね。これぞスタジアム・ロック!

代表曲「You Give Love A Bad Name」「Livin’ On A Prayer」

シンデレラ

ボン・ジョヴィに見出された事もあり、同じような路線でデビューしました。ヴォーカルがAC/ DCみたいな声でイイですね〜。セカンドアルバムからメタルからブルージーな路線に変化していって、個人的には結構この路線が好きだったりします。アイドルバンド的な位置付けが仇になっているのか、もっと再評価されても良いようなバンドかと思います。

代表曲「Don’t Know What You Got (Till It’s Gone)」「Gypsy Road」

スキッド・ロウ

これまたボン・ジョヴィ繋がりで、デビューした時も弟分的な取り上げられ方でした。デビューアルバムは89年、セカンドは91年でしたが、もう少しデビューが早ければ…とは思いますね。時代の波がすぐそこに…

代表曲「18 And Life」「Youth Gone Wild」

ポイズン

これぞポップ・メタル!といったような享楽的でキャッチーな曲調、化粧をした派手なルックス、というある意味典型的なスタイルで人気を博しました。全米No.1となった「Every Rose Has Its Thorn」は一転して声のトーンも少し落としたアコースティックなバラード。今で言う「ギャップ萌え」で売れたんでしょうか。

代表曲「Talk Dirty To Me」Every Rose Has Its Thorn」

モトリー・クルー

こちらはボン・ジョヴィより先輩格で80年代前半ではいわゆる派手な「LAメタル」の急先鋒とも言える存在。しかし、ボン・ジョヴィのヒットと関係あるのか無いのか、若干の路線を変更してリリースした「Girls, Girls, Girls」と次の「Dr. Feelgood」が大ヒットしました。

グレイトホワイト

カバーですが「Once Bitten, Twice Shy」(ちなみに日本語では「羹に懲りて膾を吹く」という諺)がヒットして、個人的にはこの曲大好きでした。メタルというよりブルージーなハードロックですね。

他にも、ホワイトライオンウォレントウィンガーといったバンドがいましたね。80年代後半はこういったソフトメタル的なバンド花盛りでした。しかし、90年代に入る直前にガンズ&ローゼスが登場して、全て攫って持っていったような感があります。彼らの軽さとは無縁の強靭なパフォーマンスは、あまりにも印象的でした。メロディアスさを両立させてもいましたしね。とは言え、その彼らもニルヴァーナの登場によって、時代は劇的に変化していく事を思い知らされることになるわけで…いやはや、この当時のロック事情というのは、大変興味深いものがありますね。

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